農集を公共に編入 下水道事業経営戦略 29年度の着工目指す(龍ケ崎市)

[2024/11/26 茨城版]
 龍ケ崎市は、「市公共下水道事業経営戦略」と「市農業集落排水事業経営戦略」を一本化する「市下水道事業経営戦略」を策定している。一層の内容の充実化を図るため、一部見直しを行うもので、計画期間は25年度から34年度までの10年間。基本方針には、適切で計画的な事業執行や人材の育成、経営戦略の定期的見直しなどを掲げる。32年度の工事完了を目指し、農業集落排水の公共下水道事業への編入などを進めていく計画で、着工は29年度を予定している。

 市の汚水処理は現在、1980年供用開始の公共下水道事業と、01年供用開始の農業集落排水事業により行われている。公共下水道は霞ヶ浦常南流域下水道関連のため処理場は所有しない一方、農集排は板橋町に建設した処理施設で汚水処理を行っている。

 公共下水道は現在も未整備区域への整備を進めているが、農集排は整備を完了している。農集排では、19年度に公共下水道への編入方針が決定し、29年度の着工後、32年度までの工事完了を見込んでいる。

 現在、人口減少に伴う収入減や将来の施設更新需要への対応の課題が顕著となり、将来にわたって安定的に下水道事業を継続していくためには、中長期的な視点で事業経営を行う必要がある。20年度に策定した公共下水道事業と農業集落排水事業の経営戦略から4年が経過し、経営基盤強化と財政マネジメント向上の柱と位置付けるものとして、PDCAサイクルを通じて投資・財政計画の見直しが必要とされていることなどから、一層の内容の充実化を図った下水道事業経営戦略に改定する。

 基本方針のうち、「適切で計画的な事業執行」では、公共下水道の事業着手から50年近く経過し、これまでも定期的な点検や設備更新、修繕等により老朽化対策を実施してきた。策定したストックマネジメント計画を基にリスク評価を踏まえた長寿命化対策を行い、下水道施設全体の最適化と老朽化対策を図る。

 投資・財政計画に未反映の取り組みや今後予定の取組概要を見ると、「広域化・共同化・最適化」では、農集排の公共下水道編入に向け、27年度に工事の基本設計と詳細設計を作成する。工事は29年度から開始し、32年度の工事完了と公共下水道への編入を行う。

 「投資の平準化」では、本戦略の建設計画をストックマネジメント計画や機能保全計画、既存計画を基に試算。資金繰りを考慮し、今後も必要に応じて平準化していく。包括的民間委託や指定管理者制度、PPP/PFIなどの「民間の活力の活用」では、現段階では未検討とするが、将来的には職員の技術力の維持を考慮しつつ、委託業務の範囲拡大などについて検討する。

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