県議会で代表質問スタート 県境橋梁の早期整備を(千葉県)
[2024/11/22 千葉版]
千葉県の12月定例県議会で21日、代表質問が始まった。武田正光議員(自民党)が登壇し、県土整備政策をただした。「県境橋梁の整備は交通の円滑化や災害時における代替性、多重性を確保する面でも非常に重要」と指摘し、利根川渡河部の新たな橋梁や野田橋周辺の4車線化などの早期整備を求めた。
柏市と茨城県守谷市間を結ぶ利根川渡河部の新たな橋梁については、共同事業体となる茨城県と連携し、橋梁予備設計を実施している。穴澤幸男副知事は、施行主体や費用負担などを定める基本協定を協議するなど、早期事業化に向けて着実に進めていく考えを示した。
野田橋周辺については、交通課題の把握や交通量推計など、4車線化が必要な区間を検討している。穴澤副知事は、埼玉県と連携し、早期に事業化が図られるよう、道路概略設計などを計画的に取り組んでいくとした。
県境橋梁の進ちょく状況をみると、東京都との県境にある押切・湊橋(仮称)は、用地取得に向け、本年7月に地元説明会を開催。埼玉県との県境の三郷流山橋は23年11月に供用するとともに、国道16号との立体交差部でトンネル工事の一部が完成している。
代表質問ではこのほか、二級河川一宮川流域の浸水対策や東京湾アクアラインの社会実験について、進ちょく状況をただした。
一宮川流域の浸水対策について、県は2023年度の浸水被害を受け、有識者による検証会議を設置し、浸水要因の分析や河川整備の治水効果などのシミュレーションモデルを構築しながら検証を進めてきた。
10月29日に開催した災害検証会議では、河川整備だけでなく、まちづくりも含めた防災・減災の観点を踏まえ、今後の浸水対策のあり方をとりまとめた。
その中では、河川整備を目標時期まで着実に進めることや、地域特性に応じて内水氾濫のリスクを低減するなど流域対策に取り組むこと、流域対策の重要性の理解を広げることなどが盛り込まれている。
熊谷俊人知事は、これらを踏まえ、県と市町村で構成する一宮川流域治水協議会で具体的な流域対策を検討するとともに、河川整備を確実に進ちょくさせるなど、市町村とより一層連携し、流域治水の取り組みを進めていく方針を示した。
東京湾アクアラインで実施されているETC時間帯別料金の社会実験について、土日祝日の特定の時間帯に集中する交通量を一層分散させるため、通行料金の変動幅を広げた時間帯別料金の設定や下り線への新たな導入などの検討を進めている。
熊谷知事は、国や県、高速道路会社で構成する検討会を速やかに開き、アクアライン割引の継続を前提とした、新たな料金案の考え方や導入時期など、基本的な方向性を示す考えを示した。