補正で事業費増額 新総合体育館 年明けにも再公告へ(常陸太田市)
[2024/11/22 茨城版]
常陸太田市は、入札不調により今後の対応を調整していた新総合体育館の新築工事について、12月議会で事業費を増額したうえで、25年3月の定例会に工事契約案を提出できるよう、発注手続きを進めるもようだ。20日の市議会全員協議会で説明した。工事の内容では、事業費抑制へ資材などの見直しなども行われているもよう。工事の再公告は年明けごろとなる見通しで、2月ごろには開札し、25年度当初から着工を見込む。供用開始は27年度中を見込んでいたが、28年度にずれ込む見通しだ。
この事業は、1977年建築の旧体育館(延べ2405平方m)について、施設の老朽化や狭あい化、トイレや観覧席、駐車場の不足、バリアフリー化への対応などのほか、空調がなく夏場の使用にも支障があることなどから計画したもの。その後、スポーツ施設整備計画に基づき新施設の整備計画を策定し、20年度に基本計画をまとめた。
21年8月には、山吹運動公園内(新宿町)の敷地西側付近としていた建設予定地の問題などから基本計画の見直しを実施。体育館の配置を現市民体育館や駐車場、運動広場、芝広場などがある北側エリアに変更した。同年秋には、プロポーザルで決定した安井建築設計事務所と柴建築設計事務所の設計JVと契約を結び、設計に着手した。
整備計画では、アリーナの屋根はドーム型とし、メインアリーナとサブアリーナを分割することで圧迫感を低減。構造はSRC造一部RC造・S造の2階建てで、延べ面積は6875平方m(1階5319平方m、2階1556平方m、建築面積6525平方m)としている。メインアリーナには2階に1280席を有する観客席が設置され、サブアリーナやトレーニング室、ミーティング室なども整備する。
敷地の北東側には、円形の多目的運動場広場を整備し、外周はランニング・ウォーキングコースを設置。駐車場は545台分を確保する。非常時には、防災機能としてメインアリーナに最大530人の避難者を収容し、サブアリーナには支援物資を保管。防災倉庫や耐震性貯水槽、マンホールトイレなども整備する。バリアフリー機能として、障がい者や高齢者、子育てにもやさしいユニバーサルデザインを各設備に採用している。
ことし6月には、建築と設備の一括発注による一般競争入札(総合評価方式・簡易型)を公告。予定価格は56億5100万円で、8月1日の開札を予定していたが、参加予定だった1者(3者JV)も辞退したため、不調となっていた。その後は、内容の見直しやヒアリングなどを行い、調整を進めていた。
外構工事などは別途発注となるもようで、本体工事の進捗を見ながら発注する。供用開始は当初の27年度中から少し遅れ、28年度早期の供用開始を目指す。