小中一貫校整備で調査 行政方針重点施策 新産業団地整備へ都決手続き(佐野市)

[2024/11/16 栃木版]

 佐野市は、2025年度市行政経営方針を公表した。重点施策には、(仮称)国道50号田島インター産業団地の整備、城東中学校区の小中一貫校整備への調査、学校体育館の空調整備、給食施設の包括管理の検討、河川改良や流末排水路整備等の防災対策、消防指令センターの集約化整備、東部9号雨水枝線幹線等の整備、市営住宅の改修や統廃合・再編、市有施設への再エネ導入を挙げている。

消防本部庁舎に指令センター集約

 市は、25年度に▽施策の目的・目標を達成するために必要な事務事業を選定し、事務事業の選択と集中を推進▽市有施設適正配置計画に基づいた取り組みの推進▽PPPやPFIも含めた民間委託等の導入を積極的に推進▽市まち・ひと・しごと創生総合戦略を積極的に推進し、地方創生を深化-などに取り組む。これらを踏まえ、第2次総合計画前期基本計画政策体系に定められた40施策のうち、政策会議で25年度に重点的に取り組む必要があると判断した14施策を重点施策として選定した。

 重点施策は[1]活力ある商業・鉱工業の振興[2]企業誘致の促進[3]移住・定住の促進[4]心と体の健康づくりの推進[5]こどもの健やかな成長と子育て支援[6]子育てしやすい環境の確保[7]豊かなで健やかな長寿社会の実現[8]特色ある教育と心の教育の推進[9]安全で安心して学べる教育環境の整備[10]消防・防災体制の充実・強化[11]快適で質の高い住環境の整備[10]再生可能エネルギーの活用と省エネルギー対策の推進[13]国際交流・地域連携の推進[14]デジタル技術の開発と普及-となっている。

 これら重点施策のうち、建設関連では「活力ある商業・鉱工業の振興と企業誘致の促進」で、市内事業者の脱炭素経営への支援などを行う。

 「企業誘致の促進」では、国道50号沿いの約15haに新たな産業団地(仮称・国道50号田島インター産業団地)の整備を構想しており、整備区域や事業主体、開発手法などを決定して、都市計画決定に向けた手続きを進める。25年度に基本計画の策定、26年度には土地区画整理事業に必要な各種手続きを完了させる計画で、産業団地造成工事は27年度から開始する見通しとなっている。

 このほか、民間事業者の設備投資等を促し、地域未来投資促進法に基づく重点即区域に位置付けた植下町地内の65haでは企業誘致を図る。

 「子育てしやすい環境の確保」では、小中学校適正規模・適正配置基本計画に基づく整備などを考慮し、こどもクラブの適正配置を進める。「安全で安心して学べる教育環境の整備」では小中一貫校の整備を進め、西中学校区一貫校整備事業で整備事業者の選考を進めているほか、城東中学校区でも整備に向けた調査を行う。学校体育館は空調設備を整備し、給食施設は老朽化した設備機器を改修するほか、調理委託と施設維持管理を含めた包括管理を検討する。

 「消防・防災体制の充実・強化」では、防災備蓄倉庫の計画的な整備、普通河川の改良や土砂災害危険箇所の流末排水路の整備、第3次空家等対策計画の策定、耐震性防火水槽や消火栓の整備などを進めていく。田んぼダムは、土地所有者アンケート調査を基に、設置について協議を行う。消防指令センターは佐野市と足利市を集約化し、佐野市消防本部庁舎へ25年度にシステム整備や庁舎改修工事を行う。

 「快適で質の高い住環境の整備」では、東部9号雨水枝線幹線等の整備、住宅・建築物耐震化のための普及啓発、市産材(木材・漆喰など)による住宅新築への支援、市営住宅の給排水改修工事や住戸改善工事、老朽化した市営住宅の統廃合・再編、空き家の有効活用などを実施する。道路は生活道路の整備や橋梁等の補修工事を行い、公園では老朽化した遊具等の更新、トイレの水洗化、施設のバリアフリー化を推進する。

 「再生可能エネルギーの活用と省エネルギー対策の推進」では、市・市民・事業者等によるプラットフォーム組織の創設、市有施設の省エネ対策や再エネ導入、民間活力の再生可能エネルギー発電設備への支援、カーボンニュートラルに向けたロードマップの作成などを行う。再エネ活用に向けた調査で選定した施設には順次、PPA方式を活用した再エネ設備を導入する。このほか、脱炭素促進区域の設定に向けて調査や検討を実施する。

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