県土整備部が震災対策訓練 千建協など建設業と連携確認(千葉県)

県庁で開かれた災害対策本部会議

県庁で開かれた災害対策本部会議

[2024/11/14 千葉版]
 千葉県県土整備部の震災対策訓練が13日、県内全域で行われ、巨大地震の発生を想定した情報伝達や道路啓開など、本番さながらの訓練に取り組んだ。県建設業協会など建設産業関連団体が多数参加し、県民の命を守るため、県土整備部との連携・協力体制を確認した。

 この訓練は、災害時における県土整備部の防災活動を円滑に実施するとともに、県内建設関連団体との業務提携に基づく協力体制の充実を目指すことを目的とする。毎年9月1日の「防災の日」に合わせて実施しているが、天候不良のため延期となり、この時期の開催となった。 

 午前7時30分に本県東方沖を震源とするマグニチュード7.7の巨大地震が発生し、大網白里市や茂原市、白子町で最大震度6強の揺れを観測、九十九里・外房地域に津波警報が発令されているケースを想定して行われた。

 訓練では、県土整備部や出先機関から1100人を超える職員を配備。関係機関として、建設産業関連団体や関東地方整備局、NEXCO東日本、千葉市、県道路公社など19機関が参加した。

 発災後、県土整備部は災害対策本部を自動配備し、県庁に災害対策事務局と県土災害対策班、出先機関に現地災害対策班をそれぞれ設置。災害協定に基づき、県建設業協会の各支部は県内全域でパトロールを実施した。

 県庁では災害対策本部会議が開かれ、県土整備部の幹部が集まり、職員の配備状況や公共土木施設などの被害状況を確認するとともに、今後の対応を協議した。

 訓練の陣頭指揮を執った四童子隆部長は「震災時には県建設業協会や国など関係機関との連携が非常に重要になる」と強調。早期に復旧活動を進めていくためにも被害状況や復旧の進ちょくなどの報告・連絡・相談を徹底するよう求めた。

市原・姉崎で道路啓開訓練

 市原市の姉崎公園では、県道大多喜里見線で法面崩落があり、多数の倒木や道路照明灯の倒壊、放置車両などで道路上をふさぎ、通行できないとの想定で訓練が行われた。県建設業協会市原支部や県電業協会、県市原土木事務所、国土交通省千葉国道事務所、東京電力パワーグリッドから20人が参加した。

 市原支部は倒木をチェーンソーで細断し、通行できるよう素早く対応したほか、県職員とともに放置車両の移動訓練を実施。車両移動用のジャッキを用いて、人力で車両を移動、倒壊電柱の撤去作業ができるよう通行路を確保した。

 県電業協会は、倒壊した照明灯を確認し、撤去作業に取り組んだ。千葉国道事務所は、通信衛星車が入れない場所でも映像を配信できる可搬型の衛星通信装置Ku-SATIIを使用して訓練映像を災害対策本部に中継した。

 訓練に参加した県市原土木事務所の高城仁次長は、「訓練を定期的に実施することで、各機関との連携が強化され、有事の時に速やかな災害対応が行える」とコメントした。

 訓練ではこのほか、津波対策として、九十九里浜に設置している陸閘の閉鎖・開放訓練を展開。県山武土木事務所が23号陸閘(大網白里市)、県長生土木事務所が鷗橋陸閘(一宮町)でそれぞれ実施している。 

 建設産業関連の参加団体は次の通り。
▽県建設業協会と各支部▽県電業協会▽県測量設計業協会▽県地質調査業協会▽関東地質調査業協会千葉県支部▽県建設コンサルタント業協会▽建設コンサルタンツ協会関東支部▽日本橋梁建設協会▽日本埋立浚渫協会関東支部▽県造園緑化協会▽日本下水道管路管理業協会関東支部▽県環境整備協同組合

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