予算確保など要望 国道118号 既設構造物の機能強化を
[2024/11/12 茨城版]
国道118号(水戸・大子間)改修期成会(会長・先﨑光那珂市長)は、県庁に林利家土木部長を訪ね、国道118号整備促進を求める要望書を手渡した。要望では、災害対応や物流の活性化などに向けた那珂大宮バイパスと菅谷飯田線整備の継続的予算確保、大宮大子拡幅と既設構造物の機能強化、池田工区の無電柱化、水戸市中心市街地区間での通学路安全対策、茨城栃木連携事業の事業化に向けた調査費確保などを盛り込んだ。
この期成会は那珂市と大子町、水戸市、常陸大宮市で構成し、国道118号の整備促進を目的に活動している。今回は、先﨑会長と高梨哲彦大子町長、鈴木定幸常陸大宮市長らが県庁を訪れ、林部長に対して要望活動を行った。
国道118号は、水戸市から那珂市、常陸大宮市、大子町を経由して福島県会津若松市を結ぶ基幹道路であり、八溝山周辺地域定住自立圏構想でも、圏域を接続する重要な路線とされている。東北道と常磐道の中間に位置するため、アクセス道路としてだけでなく、地域開発や産業振興、観光産業など地方創生を図るうえで大切な道路としている。
現状は、常磐道那珂ICを利用した行楽地へ向かう観光客や、沿線の工業団地への物流道路として利用されているが、観光シーズンや平日朝夕の通勤時間帯は渋滞が発生し、円滑な交通に大きな支障をきたしている。袋田の滝を中心とした袋田地区でも、地域産業や観光振興に重要な路線となっているが、JRの駅が隣接した変則的な道路であるため、駅利用者や地域住民の暮らしの安全、観光シーズンの交通渋滞解消など、道路整備に対する地域の要望は依然として高く、利便性や安全性の向上に資する事業への期待も大きい。
このため、今回の要望では、各拠点をつなぐ道路ネットワークによる地域経済の活性化や、安全・安心の地域づくり、広域連携を含めた災害時の緊急避難路の強化など、防災に関する道路整備の観点から、同線の早期整備が図られるよう、必要な財源措置への配慮を求めた。
事業区間ごとの要望を見ると、「観光・物流などの経済活動の復興(那珂ICアクセス)」では、激甚化・頻発化する災害への備えや観光など経済活動の復興、人流・物流の活性化を行うことなどを目的に、那珂市が那珂大宮バイパス(飯田・中里間、延長3600m)と菅谷飯田線(飯田地区、延長2200m)の計画的な整備に向けて、継続的な予算の確保を要望している。
「国土強靭化」では、常陸大宮市と大子町が、大宮大子拡幅(岩崎・袋田間、延長2万0800m)について、冠水対策を含めた整備の推進と、災害時の交通確保が図れるよう5か年加速化対策による必要な予算・財源確保を求めた。また、能登半島地震などを踏まえ、既設構造物の機能強化を図るため、国土強靱化実施中期計画を本年度早期に策定し、予算や財源を別枠で確保するよう要請している。
「無電柱化」では、大子町が池田工区(池田地区、延長1550m)について、緊急輸送道路の安全性確保と機能強化、良好な景観形成、観光振興を図るため、事業促進に向けた必要な予算確保を求めた。
「子供達の安全・安心、道路周辺環境の安全性・安定性」では、水戸市が五軒町拡幅(五軒町地区、延長530m)の早期事業化を要請。水戸市中心市街地の歴史的資産を活用した、まちなか回遊性と景観の向上と、隣接する五軒小学校などの子供たちの安全・安心を守るため、通学路の安全対策の早期事業化を求めている。
このほか、栃木県や福島県などと連携し、広域的な道路ネットワークの構築・機能強化対策を図るため、茨城栃木連携事業(茨城~栃木、福島)の事業化に向けた調査の継続も要望した。