一宮川流域さらなる対策が必要(千葉県ら)
県と市町村で構成する一宮川流域治水協議会が8日、茂原市内で開かれ、河川整備や流域対策などについて話し合った。県や市町村の進ちょく状況を報告するとともに、2023年の台風13号による浸水被害の検証結果などを踏まえ、さらなる流域対策の検討が必要なことを確認した。
一宮川流域では、県による浸水対策事業が進む中、23年台風13号の接近に伴う大雨により、茂原市街地で甚大な浸水被害が発生。県は災害検証会議を設置し、浸水被害メカニズムなどの解明を進めてきた。座長を務める加藤孝明東京大学生産技術研究所教授が検証会議でとりまとめた浸水対策のあり方を報告した。
シミュレーションモデルを構築し、検証した結果、現在進められている河川整備は流域全体の浸水リスクを低減させる、上下流バランスのとれた計画となっており、「おおむね妥当」と評価した。
内水氾濫による浸水リスクや計画高水位を超過する洪水位による破堤リスクも残るため、河川整備と併せて実施する流域対策の必要性を指摘。災害検証会議で構築したシミュレーションモデルなどを活用し、流域治水協議会などで流域対策の具体化を図るよう求めた。
流域対策として、「雨水を貯める対策」「洪水被害を受け流す対策」のほか、「理解を広げる対策」などを挙げている。
一宮川流域では、19年10月豪雨を含め、過去30年間で4度の浸水被害が発生しているため、20年12月に県と流域6市町村で構成する治水協議会を設置。流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」に取り組んでいる。