4事業の継続妥当 事業評価委 国道245号日立港区北拡幅など(県土木部)
[2024/11/8 茨城版]
県土木部公共事業等評価委員会(委員長・山田稔茨城大学名誉教授)は5日、県庁で本年度の会合を開いた。今回は▽国道245号日立港区北拡幅▽国道354号境岩井バイパス▽県道常総取手線▽田尻沢──を再評価。審議の結果4事業すべてを「継続が妥当」と判断した。このうち国道245号の拡幅では、事業費を当初より17億円増額し、事業期間を2年間延長して28年度の完成とする。
委員会を前にあいさつに立った県土木部の石川昭次長は、県が進めている各種インフラ整備の内容を説明。続けて、公共事業を進めるうえでは多大な費用と時間がかかることを指摘し、「採択前の計画段階や、開始後の一定期間が経過した段階での事業評価が重要」との認識を示した。
今回再評価の対象となったのは4事業。3事業が事業計画の変更、1事業が規定の期間が経過したことによるものとなる。
国道245号日立港区北拡幅では、事業費を当初の50億円から67億円に増額することや、あわせて完成年度を28年度に変更することを審議した。今回の変更は、設置基準の改訂や関係機関との協議に伴い、消波ブロックや補強土壁の施工量が増加したための措置。既設の2tブロックの上に新たに3tブロックを設置する。
日立港区北拡幅は、国道245号の日立市内区間での4車線化事業の一環として、同市久慈町から水木町までの整備を行うもの。事業は15年度に採択され、総延長は1880m(幅員25m、4車線)で計画している。
事業の進捗は事業量ベースで0%、事業費ベースで60%。今後は用地買収を先行的に進めている南側から工事を進めていく。費用対効果(B/C)は1.3と試算している。
委員からは、事業地の地盤強度や関連事業として久慈大橋の架け替えなどについて質問が挙がった。
国道354号境岩井バイパスでは、事業期間を1年延長し、完成年度を25年度に変更する。工事の支障となる農業用パイプラインを移設するにあたり、地元調整に想定以上の時間を要したことが理由となる。
事業は境町の中心市街地における交通混雑の緩和のほか、圏央道の境古河ICへのアクセス向上を目的としている。01年度に採択され、同町猿山から坂東市生子までの6300m(計画幅員25m、暫定2車線)で整備を進めている。総事業費は110億円。
進捗は事業量ベースで27.6%、事業費ベースで80.5%。今後は残る道路改良工事、橋梁工事などを進めて、早期の全線開通を図る。B/Cは2.2と算出した。
常総取手線では、昨年度行った地質調査の結果、当初12億円だった事業費を15億円に変更。今後は順次工事に着手し、早期の完成を図る。
この事業は常磐道の(仮称)つくばみらいSICの事業化に伴い、常総取手線のつくばみらい市古川から同成瀬までの区間で拡幅整備を行うもの。19年度に採択され、事業延長は1600m(計画幅員13m、2車線)。
進捗は事業量ベースで0%、事業費ベースで60.1%。B/Cは1.1となっている。
通常砂防事業田尻沢では、規定の事業期間が経過したことにより、再評価を実施。今回の審議では、前回からの変更点はなかった。