丹青社で整備計画策定 鈴木貫太郎記念館の再建(野田市)

[2024/11/7 千葉版]

令和元年台風第19号に伴う被害で資料映像のみの公開となっている鈴木貫太郎記念館

令和元年台風第19号に伴う被害で資料映像のみ公開している鈴木貫太郎記念館


 野田市は、鈴木貫太郎記念館の再建に向け、基本計画の策定に着手する。再建基本計画策定業務を丹青社(東京都港区)に委託した。指名競争入札で選定を進め、落札価格は1230万円(税抜き)。履行期限は2026年3月まで。今後、学識経験者らで構成する懇話会を立ち上げ、2026年度をめどに基本計画をとりまとめ、27年度に設計に着手する。その後、28~29年度の2カ年で施工、30年度の開館を目指すことにしている。

 基本計画の作成については、今年度末の着手を想定していたが、都市再生整備計画に予定より早く着手できることとなったため、都市再生整備計画に位置付ける基本計画についても前倒しで進める。

 主な業務内容は、事業活動計画や収蔵展示計画、施設整備計画の検討など。

 今年3月策定の再建基本構想によると、現記念館の跡地に、博物館の登録要件を満たす登録博物館として建設し、記念館のシンボルとなっている「為萬世開太平」の塔碑を残す。

 多くの人が訪れるよう体験型の展示やミュージアムショップなどの設置を検討し、にぎわいの創出効果を一層高めるため、「関宿あおぞら広場」をはじめとする周辺施設の効果的な利用も検討する。 建設予定地の面積は、現記念館の敷地3084平方mのほか、あらたに取得した土地と集乳所側の駐車場の面積を合計した4624平方m。東葛農業協同組合の集乳所(市有地)については、今後、方針を検討していく。

 諸室構成は、ミュージアムショップなど「共用エリア」、常設・企画展示室などの「展示エリア」、収蔵庫や荷解場などの「収蔵エリア」など5エリアを想定。建物規模は基本計画の策定など、今後再建事業を具体化していくなかで検討する。

 財源については、再建のための基金を設立した。また、立地適正化計画にもとづき都市再生整備計画を策定することで国の補助金を活用するほか、クラウドファンディングの実施も検討する。

 立地適正化計画策定業務は、日本インシーク(東京都中央区)が担当している。履行期限は26年3月まで。

 鈴木貫太郎は、太平洋戦争終戦時の内閣総理大臣として活躍し、現記念館は1963年、旧宅の隣に建てられた。

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