跡地活用へ方針 小学校3校 地域活性化など6項目(美浦村)
[2024/11/2 茨城版]
美浦村は、25年3月で閉校する小学校3校(木原小、安中小、大谷小)について、「小学校施設跡地利活用方針」を策定した。方針には、地域活性化や観光・宿泊施設、民間への譲渡・貸し出しなど6項目を掲げている。村では、年度内に不動産鑑定などの現況調査を行う計画で、14日には測量業務と不動産鑑定に係る2件の指名競争入札を予定している。閉校後は、跡地利活用方針に基づき、具体的な利活用を検討していく考えだ。
閉校後の跡地活用に向けては、23年8月に検討委員会を設置。ワーキングチームやワークショップ、サウンディング型市場調査を行い、検討を進めていた。
昨年末から行われていた民間企業に対するサウンディング調査には3者が参加。跡地利用への提案には、地域住民・スポーツ団体・ペット連れ旅行者・レジャー客の交流施設や子育て支援施設などについて提案があったという。住宅などの提案もあったとするが、木原小は市街化区域となる一方、ほかの2カ所は市街化調整区域であるため、開発には難しい面もあるとしている。
今回まとめた利活用方針には、▽地域の活性化に寄与する、地域特性を生かした施設▽村民が満足できる施設▽地域住民が利用できる施設▽民間に売却や貸し出しによる有効な活用▽緊急時の避難場所▽観光・宿泊施設──の6項目を掲げている。
このうち、観光・宿泊施設については、都心から近く自然が豊かな本村の立地条件を生かした施設とすることや、「競走馬の里美浦」をPRしていく施設、来訪者が利用できる施設とすることなどを指定した。
閉校後の活用については、3校とも具体的なものはないとするが、村による公共的な活用予定はなく、いずれも民間への譲渡や貸し出しなどを視野に入れている。その際にも、地域特性を生かすことや、村民の満足、地域住民の活用、避難場所などを求めていく。
観光・宿泊施設での活用については、JRAの美浦トレーニングセンターが立地するという利点を生かし、「競走馬の里美浦」をPRしていく施設も想定。引退した競走馬の繁養施設のようなものを期待している。
対象となる小学校3校では、美浦中学校敷地内に統合するため、23-24年度の2カ年で校舎棟の建設工事を進めているところ。工事は、常磐建設・松浦建設・細谷建設工業JVが担当し、建設規模はRC造地上3階地下1階建てで、延べ面積は7493平方m。校舎棟内部には、普通教室を約18教室、特別支援教室を約4教室、特別教室約7教室を設置し、駐車場は100台程度を確保する。設計は須藤隆建築設計事務所(土浦市)がまとめた。新小学校名は「美浦小学校」となる。