柏の葉に研究開発拠点 用途変更や地区計画策定へ(柏市)

[2024/11/1 千葉版]20241101c
 柏市は、国立がん研究センター東病院(柏市)と、その周辺の約10・8haを対象に、用途地域を「第二種住居地域」から「準工業地域」へ変更するとともに、新たに地区計画を策定する。国立がん研究センター(東京都中央区)と三井不動産(同)からの提案を受け、原案を作成した。同地区では、次世代型がん専門病院への建て替えが計画されていることから、建て替えにより病院機能の充実を図るとともに、ライフサイエンス分野などの先端産業や研究機関、創薬や先端医療分野の関連企業などを誘致し、研究開発拠点の形成を図る。来年2月の市都市計画審議会に付議し、3月の告示を目指すことにしている。

 地区計画の名称は「柏の葉医療・研究開発地区」。所在地は、柏市柏の葉5丁目ほか。

 南側のA地区約2haでは、三井不動産が帝都自動車交通(東京都中央区)から土地を借り受け、21年11月に賃貸ラボ施設「三井リンクラボ柏の葉1」を開設した。施工は清水・京成共同企業体、賃貸総面積は8227平方m。

 11月にも2棟目の着工を見込んでおり、同地区では、ライフサイエンスやAI・IoT・ビッグデータ企業、研究機関など中心に、良好な都市環境の形成を図る。

 一方、東病院とホテル「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」の建つB地区約8・8haでは、東病院を中心に、関連する施設と連携し、良好な都市環境の形成を図る。

 また、同病院には2層3段の立体駐車場があるものの、駐車場が不足していることから、病院建て替えにあわせて建設規模を拡大するため、用途地域を準工業地域に変更する。

 病院の建て替えについては、31年度をめどに、「次世代型がん専門病院」として現地で建て替えることを計画しており、基本計画策定支援業務は、22年度に山田綜合設計(大阪市中央区)が担当した。

 現行の病床数は425床。敷地面積は7万9929平方m、延床面積は8万7340平方m。

 東病院の担当によると、設計の着手時期は未定となっている。

 柏の葉医療・研究開発地区の周辺には東葛テクノプラザ、産業技術総合研究所のAIセンター、東京大学などの学術研究機関が集積し、柏市都市計画マスタープランでは、先端産業、研究機関の誘致を通じた新しい産業の創出に向け、土地利用の見直しを検討する産業創出地区として位置付けられている。

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