高畑北団地に新工場 S造平屋1300平方m規模 宮城県 角田市と立地協定締結(丸一ゴム製作所)

[2024/10/24 宮城版]

協定書を手に記念撮影する左から田村所長、杉本社長、黒須市長

協定書を手に記念撮影する左から田村所長、杉本社長、黒須市長

 工業用ゴム製品の総合メーカーである丸一ゴム製作所(埼玉県吉川市、杉本賢次代表取締役社長)は23日、角田市と新工場建設に関する立地協定を締結した。事業拡大と技術の伝承に向けた環境整備が目的。市が造成した高畑北産業用地に5億3000万円を投じ、S造平屋一部2階建て延べ1300平方m規模の仮称・角田工場を建設する。同社親会社のマルニット(同)が今後、設計と施工者を選定して工事発注する。2025年9月の着工、27年1月の操業開始を目指す。

 立地協定は丸一ゴム製作所・県・市の3社で締結。23日に角田市役所で開かれた式典では、県大河原地方振興事務所の田村賢治所長が立会人を務め、黒須貫市長と杉本社長が協定書に署名・交換した。村井嘉浩知事の署名は事前に済ませた。

 黒須市長は「市の長期総合計画の重点施策として企業誘致に取り組んでおり、市造成による企業の立地は13年ぶり。丸一ゴム製作所さまには事業拡大を図り、地域産業の発展、雇用の創出に貢献いただきたい」と述べ立地を歓迎し、工場建設の全面支援を約束した。

 杉本社長は県や市に協定締結の感謝を述べ「大量生産ではなく、さまざまな分野の顧客と時勢に合わせ製品づくりを行ってきた。新工場建設は事業の拡大と共に、従業員が持つ高い技術力を伝承するための環境整備も目的の一つ。人が集まる魅力的な工場を目指す」と意気込んだ。

 仮称・角田工場は、同市梶賀字高畑北の6765平方mの用地を取得して建設する。丸森町内の丸森工場、丸森第二工場に続く県内3拠点目となる。工業用や医療用、食品用パッキンなどのゴム製品の増産と、半導体関連製品の生産体制も整える。従業員は将来的に約40人を見込み、このうち約15人を新規採用する見通し。

 角田への立地は用地面積が希望に沿い、従業員の通勤の利便性、建設地から見える蔵王連峰の眺めも気に入り決めた。新工場の設計はこれからで、1階に製造スペース、2階に食堂などを設ける想定。従業員の7割を女性が占めることから、杉本社長は「フレキシブルな働き方に対応できる、就業しやすい工場にしたい」と話し、眺望を活かした展望スペースを設ける構想も明かした。

 建設に向けては、杉本社長が代表を務める親会社のマルニットが来年1月を見込む用地取得のほか、設計企業、施工企業の選定と委託・発注を担当する。25年9月に着工し、26年8月の竣工を目指す。

 なお、市は21年度に新たな企業の受け皿として工業用地適地調査を実施。今回の高畑北地区を含む8カ所を候補地として抽出している。将来的な造成の計画は未定で、企業のニーズなどを踏まえ次の展開に移行していく見通し。

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