28年度に第1期着工 那須南病院 81~99億円で現在地に建設(南那須広域組合)
[2024/10/30 栃木版]
南那須地区広域行政事務組合(組合長・川俣純子市長)は、第4回那須南病院基本構想検討委員会を開催し、新病院の整備基本構想案などについて協議した。素案によると、現在地に120床程度の新病院を建設する方針で、事業費は81億円から99億円になると試算している。想定スケジュールは、2025年度に基本計画、26年度に基本設計、27年度に実施設計を策定する。工事は建設を28・29年度の第1期と30・31年度の第2期に分けて実施し、解体は30年度と32年度に、造成・外構は31・32年度、保育所の新設と現保育所の解体を32年度に行う。
那須南病院は、1990年7月に開院し、敷地面積は1万3538平方m。96年3月に増築棟を建設し、増床と病床転換を行って、2003年から現在の一般病床100床・療養病床50床の体制で診療を行っている。
既存棟はRC造2階建て・延べ床2795平方m(H7545m)、増築棟はRC造地上5階地下1階建て・延べ床6539平方m(H1万9825m)の規模で、このほか付帯施設として院内(病児)保育所(1990年建設・木造平屋建て・延べ床73平方m)を設けている。駐車場は病院側に90台、道路を挟んだ南側に54台を確保する。
既存棟、増築棟ともに施設や設備の老朽化が進行しており、狭あい化、人工透析の増床、リハビリテーション機能の拡充などの課題もあることから、新病院整備に向けた検討が必要な時期となっている。
施設整備の基本的な考え方は▽患者・家族にやさしい施設(ユニバーサルデザインやバリアフリーに対応)▽機能的で働きやすい施設(患者エリアと医療スタッフエリアを適切にゾーニング)▽環境に配慮した施設(自然エネルギーの活用など、CO2削減等の環境対策や消費エネルギーを抑えたエコロジーな施設)▽経済性を考慮した施設(建設のイニシャルコストの削減、施設・設備の保守やライフサイクルコストなどを考慮)▽災害に強い施設(災害発生時に医療活動が継続できるよう安全性と耐震性に配慮、感染症患者と一般患者の動線を分離することが可能な構造)▽将来のニーズの変化に柔軟に対応できる施設(コンパクトでフレキシブルな施設)-とした。
建設場所は利便性、災害時の対応や防災性、財政面などを再検討した結果、現在地に整備することとした。第3回会議の検討状況によると、南棟・北棟の2棟を整備する計画で、第1期工事では南棟、第2期工事では北棟や保育所を建設する。南棟はRC造地上3階地下1階建て・延べ床約6500平方m、北棟はRC造4階建て・延べ床約4000平方mの規模を想定し、北棟と南棟の1階、2階、3階は渡り廊下で連絡する。
第1期工事では現在の正面駐車場に南棟を建設して、南棟完成後に既存棟と増築棟の一部を解体する。第2期工事では、既存棟等の解体跡地に北棟を建設し、北棟完成後に増築棟や病児保育所・院内保育所を解体して、現保育所北にある駐車場へ新しい保育所を整備する。
南棟地下には機械室・厨房・霊安室、1階には救急対応・受付事務・外来・化学療法・透析(30床)、2階にはリハビリや一般病棟(60床)、3階には療養病棟(60床)を配置。北棟1階にはサービス(売店等)・調剤・検査室・放射線検査室、2階には人間ドッグ・管理機能・中央材料・手術室、3階には事務・院長室・職員食堂・医局・会議室、4階には管理機能を配置すると構想している。
新病院の整備手法は、従来方式、DB方式(基本設計先行型、基本設計一括型)、ECI方式などから、今後策定する基本計画の中で最適な手法を検討していく。