安房南地区が有力 概算工事費115~138億円見込む(鉾田市新庁舎)
[2024/10/29 茨城版]
鉾田市は24日、新庁舎・公共施設等整備基本構想の素案を公表した。それによると、新庁舎には現本庁舎や付属庁舎、鉾田中央公民館、鉾田保健センターなど13施設を統合するほか、新たに多目的文化ホールなど4機能を導入。延床面積は1万6830平方m~2万1430平方mの規模で検討し、概算工事費は約115~138億円を見込む。建設候補地は、安房南地区周辺の民有地を最有力としている。新庁舎は30年度の竣工、31年度からの供用開始を目指す。
新庁舎の整備は、現在の本庁舎の老朽化による耐震安全性の懸念解消や、窓口の利便性向上とユニバーサルデザインの導入、通信設備の整備と事務スペースの改善などのために実施する。整備の際には、公共施設の集約化・複合化、それにあわせた周辺整備を行っていく。
集約の対象となるのは、▽市役所▽市役所付属庁舎▽原子力防災倉庫▽仮設相談室▽防災倉庫▽図書館▽鉾田中央公民館▽農業振興センター▽老人福祉センターともえ荘▽ワークプラザ鉾田▽市福祉事務所▽鉾田保健センター▽こども家庭センター──の13施設を想定。主に市民の相互利用を想定し、本庁舎との恒常的な事務処理が発生している施設となる。
また、現在市にない施設として▽防災拠点設備・施設▽消費生活センター▽地域職業相談室▽(仮)多目的文化ホール──の4機能を盛り込む。防災拠点施設の設置は、公共施設との一体整備を行うことで、今後の災害対応の迅速化を図ることが目的。多目的文化ホールは、昨年度に事業を中止した飯名地区の複合施設に配置する予定だったホール機能について、文化醸成の環境づくりとして導入する。
これらの機能をもとに検討した新庁舎の規模は、3階または4階建てで、建築面積が7830~1万1630平方m、延床面積が1万6830平方m~2万1430平方mを想定。構造はS造もしくはRC造を検討し、概算工事費は約115~138億円と試算している。駐車場は975台、2万4675平方mを確保し、これに緑地面積を加えた敷地面積は約3万8800平方m~約4万3800平方m。詳細については、基本計画や設計のなかで決めていく。
建設候補地については、洪水・津波ハザードマップの危険区域でなく、人口重心または地理的中心から半径3km以内で、幹線道路と近接・隣接している約4万平方mの土地を前提条件に設定。15カ所を候補地として抽出し比較検討した結果、[1]安房南地区周辺[2]安房北地区周辺[3]鉾田南小学校東側交差点周辺[4]鉾田南小学校東側交差点先周辺──の4カ所を選定した。今後は[1]から[4]の順に用地取得の手続きを進める。このうち、最有力となる安房南地区は県道下太田鉾田線沿いの民有地で、南側には県鉾田工事事務所が立地している。
このほか、建設手法(事業手法)や民間活力も含めた周辺整備、統合した施設の跡地利用に関しては今後事業を進めていくなかで、方向性を決定する。
基本構想の策定後、本年度から26年度初頭までに基本計画をとりまとめる。その後、27年度前半までに基本設計、28年度前半までに実施設計を策定。28年度後半から30年度で建設工事を行って、供用開始は31年度を想定している。
市は基本構想の策定に向けて、11月22日までパブリックコメントを実施している。詳しい問い合わせ先は、政策企画部政策秘書課、電話0291-36-7151(直通)まで。