足利SICで区域変更 県都計審 詳細設計により形状確定
[2024/10/26 栃木版]
第188回県都市計画審議会(会長・大森宣暁宇都宮大学教授)が25日、県公館で開かれた。今回は、(仮称)足利スマートICの詳細設計で形状などが確定したことに伴う、足利佐野都市計画道路北関東横断道路と3・5・106号7丁目大前線の区域の変更を「原案どおり議決」と決定。また、小山栃木都市計画区域内の産業廃棄物処理施設の敷地の位置については、「都市計画上支障なし」として県知事に答申することに決した。
議事に先立ち、県県土整備部の谷英夫部長は能登半島の地震や豪雨の災害に触れ、「本県ではとちぎの都市ビジョンに基づき、次期プランとなる都市計画区域マスタープランの策定を進めている。このように災害が多発する中で、県民の命や財産を守る取り組み、災害に強いしなやかなまちづくりに取り組んでいく」と述べ、委員の協力を求めた。
付議案のうち、足利佐野都市計画道路の変更では、(仮称)足利スマートICの整備に伴い1・3・1号北関東横断道路と3・5・106号7丁目大前線の2路線を変更する。
北関東横断道路は北関東自動車道の一部を構成する、県境の足利市鹿島町から佐野市富士町まで延長約20.6kmの自動車専用道路。そこに交差する7丁目大前線は、足利市通七丁目から同市大前町まで、延長約4.5kmの幹線街路となる。
本県では高速道路のIC間の距離が長く、特に太田桐生ICから足利IC間は延長約10.3kmと、北関東自動車道の県内平均9.3kmと比較しても長いことから、新たな連結箇所が必要となっている。そのため、北関東横断道路の都市計画を変更し、7丁目大前線との交差点交差部である足利市五十部町と山下町に(仮称)足利スマートICを追加する。
7丁目大前線は北関東横断道路と交差し、(仮称)足利スマートICに連絡する都市計画道路で、全区間延長約4.5kmのうち、今回変更する区間は約1.1kmとなる。なお本年2月に開催された都市計画審議会では、この区間の横断面構成を見直しているが、今回はスマートICの詳細な設計に伴い必要な法面の形状等が確定したことから、法面部を含めた区域を追加変更する。
(仮称)足利スマートICは本線直結型のスマートICであることから、本線への合流部や本線からの分流部も含めて変更する。区域は高速道路方向で長さ約0.6km、幅が約0.5kmとなり、ランプ部の幅員は車道が3.5m、路肩が2.5m、保護路肩が0.7mと、中央帯が2.5mの合計16mとなる。都市計画決定幅は、市道との兼用側溝から管理用保護柵までの道路本線と道路法面を含めた区域の30mとなる。
スマートICには、誤進入車両の円滑で迅速な誘導や、スマートICのコンパクト化などを踏まえ、設計車両であるセミトレーラー連結車に対応できるラウンドアバウトにも似た半径18mの円形型の進入排出路を設ける。
また7丁目大前線は、路線上に小高い山が存在し、道路を構築するために切土や法面保護工が必要となるため、法面部を含めた区域を追加変更する。現在の計画幅の幅員14.5mに法面部の幅を加え、最大で62mの区域へと変更する。
廃棄物処理施設については、小山栃木都市計画区域内の産業廃棄物処理施設の敷地の位置を審議した。この施設は下野市上古山地内に位置し、中間処理施設として産業廃棄物(木くず)の破砕処理を行っている。今回は業務の効率化を図るため、敷地を拡張することから、再度の許可が必要となる。
敷地面積は既存敷地南側の3564.54平方mを拡張し、従来の2119.54平方mから変更後は5684.08平方mとする。拡張部分には「事務所」や機材を格納する「倉庫」、仕分け作業を行う「工場」の3棟を増築する計画で、処理能力に変更は無く、審議会は「都市計画上支障なし」と決定した。