産業団地整備支援など 県への要望 17項目を協議し原案承認(県市長会)
[2024/10/24 栃木版]
県市長会(会長・佐藤栄一宇都宮市長)は19日、鹿沼市役所で2024年度第3回会議を開催し、県に要望する17項目を協議して原案通り了承した。建設関連では▽土砂等の埋立て等に対する規制強化について▽産業団地整備に係る財政支援について▽商店街での創業者支援の強化と事業承継への支援について▽スマート農業推進のための全県下をカバーするRTK固定基地局の設置について▽ハザードマップの作成に係る支援について▽市街化調整区域における地域の実情に合わせた規制の緩和について▽住宅耐震化の推進に係る支援について-と、春季要望の更新事項の▽急傾斜地の整備や住宅等の耐震化の推進について-などが項目に挙がった。今回了承された内容は、後日佐藤会長から福田富一知事に対して要望するとしている。=2面に建設関連の要望事項の詳細
「土砂等の埋立て等に対する規制強化について」では、25年4月から盛土規制法で県内全域を指定区域として不法盛土への罰則強化が行われる予定となっているが、埋立等による土壌の汚染は盛土規制法の対象外で従来通り土砂条例で規制することとなっていることから、不法埋立を行う悪質事業者への抑止力をさらに強化するため、県土砂条例の改正にあたっては、面積要件の強化や許可制度の導入などで規制強化を行い、取り締まりで県警との連携を強化することを求める。
「産業団地整備に係る財政支援について」では、各市町の産業団地整備で財源確保や技術的・人的リソースの不足が問題となっていることから、市町が実施する候補地選定や基本計画策定等の初期段階から団地の造成整備までの各段階での県の助成制度の創設など、積極的な支援を行うことを要望する。
「商店街での創業者支援の強化と事業承継への支援について」では、商店街の空き店舗等で操業を希望する若者や新規参入希望者を支援する県独自の補助制度の導入などを求める。
「スマート農業推進のための全県下をカバーするRTK固定基地局の設置について」は、各市でトラクター等の自動操舵システム導入への気運が高まっていることから、県全域でのスマート農業推進に向け、RTK固定基地局を県が主体で設置して管理運営者となり、全県下をカバーするシステムの構築を要望する。
「ハザードマップの作成に係る支援について」では、ハザードマップ作成の効率化のため、作成に必要な危険区域等のデータを広域的かつ一括の形式で提供することや、市町が必要な時に必要なデータを入手できるような体制整備を求める。
「市街化調整区域における地域の実情に合わせた規制の緩和について」では、市街化調整区域でも、ICが整備されるなど交通利便性が高い地域での地域振興促進のための立地可能な用途拡大や、空き家等の用途変更の柔軟な運用が望まれているため、地域の実情に見合った規制の見直しや緩和などを要望する。
「住宅耐震化の推進に係る支援について」では、県内の民間住宅耐震化率をさらに向上させるため、木造住宅耐震改修等の県費補助の拡充や、国に対して必要な財源の確保の働きかけを求める。
「急傾斜地の整備や住宅等の耐震化の推進について」では、急傾斜地のさらなる整備の推進、住宅の部分改修、耐震シェルター、通学路のブロック塀等の安全確保に向けて、国と同様に県でも財政支援を行うことを要望していく。