下水道にPPP 制度導入へ日本工営で基礎調査(つくば市)

[2024/10/24 茨城版]
 つくば市は、下水道事業でウォーターPPPを含む官民連携手法の導入を検討している。このほど制度導入に向けた事前の基礎調査業務を日本工営(本社・東京都千代田区)に委託。早ければ28年度からの導入も視野に入れ、来年度にも可能性調査業務に着手し、今後マーケットサウンディング調査なども実施していく。

 市の下水道事業では、今後の施設の老朽化に伴う維持管理費の増加などの課題を抱えている。そこで、ウォーターPPPを含む官民連携手法の導入を検討していくこととなった。対象は市内の整備済み区域で、管路施設約2059平方m、ポンプ場29カ所、マンホール形式ポンプ場322カ所、都市下水路約10km、雨水調整池12カ所となる。

 今回の基礎調査では、▽目的の整理▽手法、影響要因の抽出、整理▽検討準備▽PPP/PFI手法の比較検討▽概略検討業務(翌年度以降業務)の整理▽報告書のとりまとめ──などを実施する。具体的には、現状の課題を整理したうえで官民連携の基本方針を決定し、来年度以降に行う導入可能性調査などのたたき台とする。また、対応方策と業務分類の検討結果をもとに事業手法を比較し、契約相手型選定手法(競争入札、プロポーザル方式など)の適合性も検討していく。

 ウォーターPPPは、公共施設等運営(コンセッション)事業(包括的民間委託レベル4)とコンセッションに移行することを前提とした管理・更新一体マネジメント方式(レベル3.5)をさすもの。レベル3.5の要件としては、長期契約(原則10年)や性能発注、維持管理と更新の一体マネジメントのほか、プロフィットシェアの導入を原則とする。維持管理と更新にあたっては、業務を民間事業者が行う更新実施型のほか、事業者が更新計画案を作成し工事は地方公共団体などが行う更新支援型が可能となる。

 なお、基礎調査業務の業者選定にあたっては9月27日に一般競争入札を執行し、同社が落札。委託額は1138万円(予定価格1394万円)で、業務の履行期限は25年3月14日に設定している。

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