建設技術研究所を特定 スポーツパークの造成設計(宮城県 大郷町)
[2024/10/22 宮城版]
大郷町は、中粕川地区の造成設計等業務について、公募型プロポーザルで建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)を受託候補者に特定した。月内にも同社と見積もり合わせして金額が折り合えば契約する。プロポに参加したのは同社のみ。中粕川地区ではスポーツパークの整備を構想しており、今回の業務で造成設計をまとめる。造成工事は来年夏ごろに着手したい考え。
スポーツパークは農業とスポーツの一体型教育施設で、町と民間企業のスポーツX(京都市)が連携しながら整備する。整備場所は粕川地区の農地で、対象面積が約20ha。町が農地を取得して造成まで行い、スポーツXがサッカーグラウンド12面や宿泊棟2棟、駐車場、調整池などを整備する構想となっている。
町は農地を開発造成し、既存の用排水路や耕作道路の切り回しなどを実施する。当初は公園の整備も予定していたが、公園用地は商業施設用地として需要があれば民間事業者の誘致に活用する可能性がある。
今回の造成設計等業務では、地質調査や地質解析を行い、約20haの開発造成に必要な基本設計と実施設計を作成する。併せて開発許可申請図書の作成や事業マネジメント業務、概算事業費の算出などを行う。履行期間は2025年3月31日まで。設計予定額は税込み4900万円。
町とスポーツXは5月31日に立地協定を締結した。この時点で同社は2027年3月末に第1工区としてサッカー場6面と宿泊棟1棟、29年2月末に第2工区として残り半分の完成を予定していた。投資規模は約13億円を試算している。
ただし、スポーツパーク構想関連の事業費を盛り込んだ町の予算案案が6月と7月に町議会で2回とも否決されたため、当初の想定より時間がかかっている。今回は9月の追加補正予算でようやく関連事業費が一部認められたため、測量設計等調査業務に着手する。
町は年度内にいったん業務成果をまとめ、来年2~3月に町議会に説明し、事業推進への理解を得たい考え。同じタイミングでスポーツパークを整備するための用地購入費などが予算確保できれば、来年夏ごろに造成工事に着手したい意向だ。