観光地周辺で交差点改良 9月補正 千渡北IIは平面図化など(県道路整備課)
[2024/10/22 栃木版]
県はこのほど議決された9月の補正予算で、県単公共事業費に8億円、公共事業関連調査費に1億5000万円を追加した。県道路整備課では県単公共事業のうち3億円の配分を受け、国道119号の山口交差点や主要地方道宇都宮茂木線の管理センター前交差点など、緊急輸送道路や観光地周遊を支える道路の小規模改良を実施する。また、公共事業関連調査費のうち4000万円で、国道461号黒羽バイパスの地質調査や県道鹿沼環状線千渡北II工区の平面図化など、防災・減災対策の推進に向けた交付金事業などの円滑な導入に必要な測量・設計などを実施する。
県単公共事業費は、当初予算の26億6600万円に今回の3億円を追加して、事業費を29億6600万円とする。今回の補正分では、緊急輸送道路や観光地の周遊ルートなどを対象に、交差点改良など小規模改良を実施していく。
代表的な箇所として、主要地方道藤原宇都宮線の関堀町南工区では、宮環との立体交差の南側に位置する市道との交差点に右折レーンを設置する。既に用地は確保しており、このあと工事に着手して、概ね単年で整備する。
国道119号と今市スポーツセンター線が交差する山口交差点も、国道側に右折レーンを設置する。本年度はまず国道119号の街路樹を伐採し、道路空間を見直して来年度以降に右折レーン設置工事を実施する。
主要地方道宇都宮茂木線は、芳賀町の芳賀管理センター前交差点より1つ東側の市道との交差点で、現状の右折車たまりスペースを拡幅して右折レーンに整備する。本年度から工事に着手し、一部を繰り越して2カ年で整備する。
主要地方道藤原宇都宮線の塩谷町と日光市の行政境付近の高原II工区では、狭あい区間の現道拡幅と線形改良を実施する。こちらもこのあと工事を発注し、一部繰り越して整備する。
主要地方道大田原高林線の岡工区は、広域農道ライスラインとの交差点の南側の交差点に右折レーンを設置する。これまでに測量・設計を実施しており、補正分では用地補償を実施していく。
県道佐野太田線は、旗川を渡る村上大橋の東側で、あしかがフラワーパークを訪れる観光客の抜け道となっている市道との交差点に右折レーンを設置する。こちらは事業化に向けて、このあと測量や設計を実施する。
公共事業関連調査費は、防災・減災対策の推進に向けて、交付金事業などに円滑に移行できるように、必要な測量や設計の委託料を補正予算に前倒して計上した。このうち国道461号の黒羽バイパスは、那珂川に架かる橋梁の関連の地質調査を発注しており、その支払い分に充当する。黒羽バイパスでは現在、地質調査のほか測量や道路詳細設計、および那珂川を渡河する橋梁の予備設計のプロポーザルを実施している。
主要地方道今市氏家線は、事業中の塩野室交差点東と矢野口工区の間に位置する日光市和田地内で、延長約1kmの歩道整備を計画している。このあと説明会を開催して、地元の合意が得られれば路線測量を実施する。
県道鹿沼環状線は、国道293号から武子川までの区間を千渡北工区として現在拡幅改良事業を実施しているが、今回はその南側の武子川から宇都宮鹿沼線までの延長約700m区間を、千渡北II工区として4車線化に向けた事業化を図るため、本年度は平面図化と公図公簿調査を実施する。
なお県の9月補正予算では、国予算の内示増に伴い公共事業費に22億4696万円を追加している。これは国の3月の内示に対して、受入額が決まったことで県予算を補正したもの。当初予算の435億6600万円に今回の補正額を追加し、補正後の事業費を458億1297万円とする。
以下、9月補正予算の主要箇所は次の通り。
【県単公共事業費】
▽主要地方道藤原宇都宮線(宇都宮市、関堀町南)=第一次緊急輸送道路における交差点改良
▽国道119号(日光市、山口)=世界遺産日光の寺社周辺および第一次緊急輸送道路における交差点改良
▽主要地方道宇都宮茂木線(芳賀町、管理センター前交差点)=第二次緊急輸送道路における交差点改良
▽主要地方道藤原宇都宮線(塩谷町、高原II)=第三次緊急輸送道路における現道拡幅・線形改良
▽主要地方道大田原高林線(大田原市、岡)=第三次緊急輸送道路における交差点改良
▽県道佐野太田線(佐野市、村上大橋東)=あしかがフラワーパーク周辺の交差点改良
【公共事業関連調査費】
▽国道461号(大田原市、黒羽バイパス)=地質調査
▽主要地方道今市氏家線(日光市、和田)=路線測量
▽県道鹿沼環状線(鹿沼市、千渡北II)=平面図化、公図公簿調査