公共事業費は415億円規模 来年度当初予算 指定事業は10億円増額(県財政課)

[2024/10/17 栃木版]

 県財政課は、2025年度当初予算の編成方針をまとめて、16日付けで各部局に通知した。予算編成方針の考え方は、「25年度政策経営基本方針」に基づき、「とちぎ未来創造プラン」と「とちぎ創生15戦略(第2期)」の総仕上げを行うとともに、「少子化対策と人づくり・女性活躍の推進によるとちぎの未来創生」、「地域経済の好循環創出」、「DXによる安全・安心で暮らしやすいとちぎづくり」の3つの重点事項を積極的に展開できるよう編成する。公共事業費は、要求水準を24年度当初比で国庫・県単ともに1.00倍以内とし、直轄事業負担金を含む公共事業費は24年度当初から21億円減の415億円と試算。一方で、高校再編整備や特別支援学校校舎等整備、防災情報システム整備などの指定事業は10億円増額し、867億円と試算する。

 24年度当初予算の収支見込みによると、歳入は堅調な企業業績等を背景に県税や地方譲与税の増加が期待できるほか、地方交付税も増加が見込まれる。一方で歳出は、給与関係経費や医療福祉関係経費、公債費等の義務的経費が増加するほか、高校再編整備といった大規模建設事業関連経費が増加するなど、全体では24年度当初予算の財政収支以上に悪化して約93億円の財源不足額が見込まれる。

 県財政課が示した要求基準によると、24年度当初予算の一般財源相当額に対し公共事業費、直轄事業負担金、県単公共事業費(従来分)、学校建築費(他に区分されるものを除く)、交通安全施設整備費ともに1.00倍以内とし、本年度を上回ることなく同程度の水準を維持するよう求めた。

 大規模建設事業や年度間の増減が大きな経費など、指定事業の対象経費や要求基準は別途通知することとし、ここには高校再編整備や特別支援学校校舎等整備、防災情報システム整備などが含まれる。重点戦略マネジメントで「要求を認める」とされた事業は「知事政策枠」を設定し、所要見込み額の要求を認める。

 予算編成方針は、選択と集中の観点から政策性の高い事業に所要額での要求を認める。一方で、各部局の主体的な判断に基づく事務事業のスクラップ・アンド・ビルドを一層推進するとともに、デジタル技術を活用した行政コストのさらなる削減に取り組むほか、自主財源の充実に努めるなど、歳入歳出全般にわたり徹底した見直しを進めて必要な財源を確保する。

 予算要求の考え方によると、投資的経費は必要性、優先順位、投資効果や将来の財政負担を十分に検討するほか、事業実施に団体などの負担を伴う場合には、適正な負担割合とすることとする。

 特に公共事業は、要求基準内で要求することはもとより、国への要望や補助申請にあたって財政課と事前に協議して、申請する事業の調整を図る。直轄事業負担金は国と事前に協議を行い、本県としての優先順位が反映されるよう調整を図ることを求めている。

 県単公共事業は、真に緊急かつ必要な事業に限定して要求するとともに、国庫補助事業の採択基準に適合する箇所は要求しないこととする。県民利用施設の整備は、県民ニーズや後年度負担等の分析を的確に行うとともに、類似施設の整備状況や市町村との役割分担などの観点から、施設の必要性や規模を厳格に検証した上で要求することを求めている。

 本庁舎や地方合同庁舎を除く各種施設の修繕で、教育施設および警察施設に係るものはその所管部局が、その他の施設に係る営繕費は建築課が要求する。施設の新築・増改築は財政課に要求するが、新築については「土木・建築工事受託実施取扱要領」に基づき、規模・金額などを事前に財政課や技術管理課と協議することとして留意を呼び掛けた。

 なお、県有施設の総量最適化に向けた取り組みとして、本年10月から新増築などを予定している一定規模以上の建築物について事前協議制を導入することとしており、漏れの無いよう対応を求める。大規模な施設については、事業の円滑かつ効率的な執行を確保するため、基本計画策定の段階から十分に建築課と協議することも要求する。

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