県立中央博物館リニューアル 施設改修や増床へ(千葉県)

[2024/10/17 千葉版]
 県立中央博物館(千葉市中央区)のリニューアルに向け、ハード面の基本計画となる施設整備計画の原案が16日、明らかになった。施設は引き続き、青葉の森公園内に設置することとし、老朽化した既存施設の改修や増床を進めていく方向性が示されている。

 16日に都内で開かれた「千葉県立中央博物館リニューアル基本計画検討懇談会」(座長・林良博独立行政法人国立科学博物館顧問)の第2回会合で県スポーツ・文化局が施設整備計画原案の一部を示した。

 県は本年3月、リニューアルを見据えたソフト面の基本計画となる「千葉県立中央博物館みらい計画」を策定。これを受け、常設展示の見直しや資料収蔵スペースの確保に必要な設備などについて検討し、ハード面の基本計画として「施設整備計画」の策定を進めていく。

 施設コンセプトは「幅広い県民とともに、千葉をつなぎ、世界に拓く、“知の創造拠点”としての施設の具現化」。「収集・保管」「調査・研究」「展示・教育普及」「運営」の面から施設整備の基本的な考え方をとりまとめる方針だ。

 新設する諸室として、冷凍・冷蔵資料関係の収蔵庫、レスキュー資料用収蔵庫、資料洗浄室、動物処理室、資料・標本閲覧室、多目的スペース、普及事業用倉庫、赤ちゃん休憩室、サーバー室などを想定している。

 施設整備の方針など踏まえ、千葉市中央区の青葉の森公園内に設置することとし、老朽化した既存施設の改修や増床を図っていく。

 具体的な建設候補地や諸室構成、施設整備スケジュールについては、次回の会合で示す予定。25年度の計画策定を目指している。

 本館棟の構造・規模はRC造地下1階地上2階建て延べ1万5254平方m。1989年に完成し、築35年が経過。元設計は日本設計、元施工は清水建設が担当した。

 20年9月に策定した「千葉県立博物館の今後の在り方」では、県内の3館4施設の機能を強化し、専門職員と博物館資料を中央博物館に集約する方向性が示されている。

 それを踏まえ、23年3月に「千葉県立中央博物館機能強化実施方策」を策定。中央博物館の強化すべき機能として「総合博物館としての高度化」「地域連携ステーション」「アーカイブセンター」の3つを整理している。

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