那珂川圏域の河川計画を審議 西田川で河道改修(県河川検討委)

[2024/10/16 茨城版]
 県河川整備計画検討委員会(委員長・武若聡筑波大学システム情報系教授)は10日、県薬剤師会館で本年度の第1回会合を開催した。今回は19年の東日本台風における被災を踏まえて、那珂川圏域の河川整備計画の変更について審議。それによると、水戸市と城里町の境界を流れる西田川において、水門閉鎖時の氾濫を防止することを目標として明記。河道改修や調節池の整備を行う方針を示した。

 この委員会は、河川整備計画の作成・変更にあたって計画内容の客観性、公平性を確保するため、学識経験者などの意見を取り入れて各種検討を行うもの。今回は那珂川の支川である西田川について、浸水被害の軽減に繋がる事業の推進を図るため、計画を変更することとなった。

 那珂川圏域は水戸市、ひたちなか市、笠間市、常陸大宮市、茨城町、城里町の600平方kmで、県管理河川は48河川、流域延長は228km。同圏域の河川整備計画は12年3月に策定し、桜川など9河川の整備を位置づけた。その後、16年に霞ヶ浦導水事業に伴って千波湖導水を追加。19年の東日本台風発生後には、国と県が合同で有識者会議を開催し、西田川については遊水地などの整備の検討を行うとしていた。

 今回の変更では、西田川で東日本台風における水門閉鎖時の氾濫を防止することを目標に設定。具体的な施策として、藤井川合流点から県道城里那珂線にまたがる藤井橋上流までの約1.5kmについて河道改修(堤防嵩上げ)を行う。また、同橋の北西側に調節池を整備していく。具体的な施工方法などについては、現在のところまだ検討中としている。

 計画高水流量は170立方m毎秒で、藤井川への流出量の変更はない。調節池の整備にあたっては、周辺地系の改変を最小限とする形状とし、動植物の生息・生育・繁殖環境を調節しながら、治水と環境の共存を図るものとする。

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