文挟BP本格着工へ 飛土沢の付替水路工3件発注(県日光土木)

[2024/10/8 栃木版]

 県日光土木事務所は、国道121号文挾バイパスの道路改良工事3件でこのほど指名競争入札を通知し、21日の開札を予定する。バイパス北側の1工区内を流れる普通河川飛土沢の付替水路工で、これにより同バイパス1工区の本格的な工事に着手する。本年度はこのほか、南側の2工区についても概略ルートの検討あたって平面図化を実施する計画。一級河川行川の浸水想定区域図を作成した際のデータを活用するとともに、3次元測量を2件に分割して11月ごろにも発注し、2工区の調査に着手する。

2工区も平面図化で調査着手

 国道121号は山形県米沢市を起点に、日光市を経由して益子町まで至る幹線道路で、第二次緊急輸送道路にも指定されている。このうち、日光市板橋地内から小代地内までの区間は杉並木街道となっており、全体幅員が5~6mと狭く歩道も未整備で、危険性が高い状況。また右折レーンがないことから、交差点部では慢性的な渋滞が発生している。

 同事務所はこれらの状況を踏まえるとともに、杉並木は特別天然記念物に、また杉棚も特別史跡に指定されていて現道拡幅は困難なため、バイパスを整備する。現道の東側にはJR日光線や城山、武子川が近接していることから、西側を通るルートで計画。事業区間は板橋交差点から鹿沼市境までの延長約7.4kmで、延長が長いことから工区を2分割して、北側を優先整備区間として事業に着手した。

 北側の1工区は、2013年に供用した板橋バイパスと接続する板橋交差点から、県道宇都宮今市線との交差部までの延長約3.5kmとし、幅員は車道(3.25m×2)、路肩(1.5m×2)と歩道(2.5m)の、全体12.0mで整備する。片側歩道は、落合中学校が位置するバイパス西側に設ける。

 工区内は盛土区間と切土区間があり、切土の掘削土はヤード内で土質改良して盛土に利用する。終点は、高低差を利用して県道宇都宮今市線をオーバーパスし、ランプウエイで県道と接続。区間内には、飛土沢を流末とする調整池を3カ所整備する。

 工事は板橋交差点付近で昨年度から一部実施していたが、今回発注する道路改良工事3件から本格的に着工する。工事の内容は、バイパスの高盛土区間で飛土沢を渡河するため、横断ボックスを整備するもの。日光市道108号線の近くの箇所は横断ボックスを2分割し、市道54089号線付近のボックスは1件で発注する。

 道路改良工事その1は2分割したうちの西側で、ボックスは内空断面が幅5.0m×高さ2.0mを延長29mと、同じく幅3.0m×高さ1.0mを延長16.4m設置する。また、取付水路が現場打ちのU型水路で計69mと、取付道路工167.3mを施工する。

 その2は東側で、ボックスの内空断面は幅5.0m×高さ2.0mを延長29m、取付水路のU型水路は計55mを施工。その3はボックスの内空断面が幅5.5m×高さ1.6mを延長33.3mと、前後の取付水路がU型水路で19.8mと15.2mとなっている。

 なお、県道宇都宮今市線との立体交差は、橋梁形式が良いのかボックスが良いのかなど、経済性の面や工期短縮の面なども含めて現在本庁と再度協議しているところで、検証がまとまった後で橋梁予備設計を実施する。

 また、文挟バイパス2工区についてはこのあと予備設計を実施するが、概略ルートの検討あたって本年度は平面図化を予定している。平面図化には、一級河川行川の浸水想定区域図を作成した際のデータが概ね使えそうなことから、これを補足して平面図化する考え。2工区の延長約3.9kmを中間付近で2分割し、3次元測量を11月ごろにも発注し、調査を開始する。平面図化が完了すれば、引き続き予備設計を実施する。

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