県有施設等調査特別委が報告書 議会の継続関与を(県議会)
[2024/10/3 茨城版]
県議会の県有施設・県出資団体等調査特別委員会(田山東湖委員長)は9月30日、県議事堂で同委員会最後となる第12回会合を開催した。議事ではまず、県有施設として鹿島セントラルビルについて、売却に向けての取り組み状況を審議。また、これまでの全12回の審議などを踏まえた委員会の調査結果報告書を取りまとめ、今後も議会が県有施設・県出資団体の運営状況に関して継続的な関与を行うことなどを盛り込んだ。
鹿島セントラルビルでは、優先交渉権者に選定したフォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社や、同社が出資するホテル事業者の株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント、特別目的会社である八重桜合同会社などの資産管理スキームについて、執行部から説明を行った。このうち、地元や委員会の懸案となっていた従業員の雇用については、ヒアリングの結果から7割を超える従業員が転籍し、引き続きホテル業務に従事する予定だという。
県議会第3回定例会には、八重桜合同会社に対して、県が所有する土地と建物を売却する議案が提出され、1日に原案通り議決を得た。今後はグループとして長期的に施設の保有、運営を行っていく。
続けて、同委員会の最終調査結果報告書の取りまとめを行った。取りまとめにあたり田山委員長は、県有施設は県民生活に直結する公共サービスを提供する重要なもので、長期にわたって安定した経営が求められると説明。そのためには、経済合理性だけではなく設置当初の目的や意義を再認識しながら、議会との十分な議論を重ねることで県民の理解を得ることが必要だと指摘した。
こうしたなか、議会が継続的に関与できる仕組みとして、執行部から毎年第2回定例会で公共施設の運営状況を定期報告する機会が確保されたことは「本委員会の大きな成果」との考えを示した。執行部に対しては、二元代表制のもと今後も議会に対する丁寧な説明と議論を通じ、よりよい事業の展開を求めた。
なお、調査報告書については定例会最終日の1日、田山委員長から半村登議長に報告がなされている。