事業手法は公設 複合文化施設 指定管理者制度も検討(石岡市)
[2024/10/2 茨城版]
石岡市は、9月に開催された複合文化施設整備審議会において、施設計画と概算事業費、事業手法、管理運営計画について検討した。このうち事業手法については、設計施工を分離した従来方式(公設)で進める方針が執行部から示された。管理運営方法は、高い専門性による効率化を図るため指定管理者制度を導入する計画。市では年度内に基本計画をまとめ、来年度から設計に着手する見通しだ。
複合文化施設整備事業は、老朽化を受けて閉館した市民会館の移転改築を行うもの。建設地は7月の審議委員会で、鹿島鉄道跡地約7700平方mを選定した。現在は基本計画に着手し、業務は横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)が担当する。
施設の規模は5825平方m程度で計画。内訳はメインホールやサブホール、市民ギャラリー、アトリエ工作室、和室、図書スペース、会議室(4部屋)、学習スペース、調理室、キッズスペース、民間テナントなどとなる。
このうち、メインホールは音楽や演劇など、本格的な文化活動に利用できる施設とする。規模は旧市民会館の規模や今後の人口予測などを踏まえ、600-800席程度とし、延床面積は1800平方mを見込む。多様な用途に対応するため、座席は可動式のものを採用する方針だ。
これらを踏まえた施設の概算工事費は、1平方mあたりの単価を100万円として58億2500万円と算出。このほか、基礎杭工事費、設計監理委託料、外構工事費、物品購入費、土地に関する費用を合わせた全体の概算事業費は約74億円と見込んでいる。
事業手法については、従来方式とPFI方式を比較検討。PFI方式を実施する際には、可能性調査や要求水準書作成など追加の時間や費用を要することから、今回の事業では従来方式を採用する。また、今後の運営計画の内容を設計に反映できる期間が長く、整備費のコスト管理を施工前まで継続して行うため、設計施工分離発注方式をベースに進めていく。
管理運営方法は、直営または指定管理者制度を計画。複合文化施設では旧市民会館で行ってきた貸館事業中心の運営ではなく、市ならではの事業展開を目指し、高い専門性と効率的な運営が可能な手法として、指定管理者制度導入を予定する。
次回の審議会は今月16日に開催予定で、28日に谷島洋司市長へ最終答申を行う。基本計画は年度内に策定し、25-26年度の2カ年で基本・実施設計をまとめ、27-29年度の3カ年で本体工事を実施。供用開始は30年度を予定している。