中央図書館の大規模改修事業 基本設計案を公表(守谷市)

[2024/10/1 茨城版]
 守谷市は、ワークショップなどを開いて検討を進めている中央図書館の大規模改修事業について、基本設計の概要案を明らかにした。同案に対しては、11日まで市民などからの意見募集が行われているところで、出された意見を考慮しながら最終的に基本設計を決定する。設計は本年度中にまとめたあと、25年度の9月議会後の着工を目指す。工事中は閉館しながら、図書なども移動して集中的に工事を行い、26年末までの完了を目指している。概算工事費には16億円から18億円程度を見込む。

 中央図書館大規模改修事業は、1995年4月に供用を開始した中央図書館(RC造3階建て延べ3523平方m)について、老朽化などから改修を行うもの。この施設では、空調や照明など設備関係を中心に老朽化が進行し、空調では夏に故障するなどの不具合が発生している。このため、昨年11月までに「守谷中央図書館改修構想」をまとめ、長寿命化や利用者ニーズを十分に反映した新たな空間・機能を備えた快適で魅力ある図書館へ転換するためのリニューアルを図ることにした。

 改修に当たっては、基本方針として▽施設・設備の更新(老朽化や長寿命化への対応)▽安全で機能的なサービス環境の整備(誰もが不便を感じることなく利用できる環境の整備)▽快適で魅力ある空間の整備(利用者ニーズへの対応、時代や不具合への対応)▽新しい図書館サービスの環境整備(DXの推進と図書館システム更新への対応)──を掲げている。

 施設・設備の更新では、空調設備の更新や照明のLED化などにより長寿命化を図る。安全で機能的なサービス環境の整備では、トイレの機能充実やユニバーサルデザインの採用などを盛り込んだ。アンケートなどによる要望に応えるため、休憩室や和室、視聴覚スペースなどを設置して施設の充実を図り、時代に即した施設とする。

 ことし4月には、プロポーザルで選定した三上建築事務所(水戸市)に委託し、基本設計に着手した。基本設計は、市民参加型ワークショップなどを開催し、市民の意見を取り入れながら策定を進めている。今回公表した基本設計の概要案によると、施設・設備の更新では、屋根や外壁、開口部などの外部改修と、内装材、書架・家具、照明器具、空調設備、トイレなどの改修やリニューアルを図る。

 増築部は、S造3階建て延べ417平方m(建築面積)で計画。プロポーザルによる提案では、既存建屋の南側への増築を提案していたが、市役所の出入口と交錯することなどから、入口やエレベーターにも近く利便性の高い北側へと変更した。増築部には、1階にボランティア室や絵本の部屋を新設するほか、2階には交流ラウンジの一部として活用。3階には自習などに最適なサイレントスペースの新設などが計画されている

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