盛土規制で予備調査 水戸市除く県内全域を対象に(県廃棄物規制課)

[2024/9/28 茨城版]
 県廃棄物規制課は本年度、盛土規制法に基づく既存盛土の予備調査を行う。25日には同業務に関する一般競争入札が行われ、パスコ(本社・東京都目黒区)が998万円(予定価格1131万円)で落札した。中核市の水戸市を除いた県内全域を対象に、規制区域内に存在する盛土を調査して安全性の向上を図る。調査結果は年度内にまとめ、来年度に本調査を行っていく。

 盛土規制法は、21年7月に静岡県熱海市で発生した盛土崩落による大規模な土石流災害を受け、危険な盛土を土地の用途にかかわらず包括的に規制するもので、昨年5月に施行した。これにより、経過期間となる25年5月25日までに新たに宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域を指定し、その区域では盛土や切土、土石の堆積の工事規模により届出または許可が必要となる。規制区域内で行われる盛土については、都道府県知事などの許可の対象になり、宅地造成の際の盛土だけでなく、単なる土捨て行為や一時的な堆積についても規制できる。

 県は昨年度、法の運用開始を見据えた基礎調査を実施。その結果、市で区域指定を行う水戸市を除く県全域を宅地造成等工事規制区域、または特定盛土等規制区域に指定した。

 宅地造成等工事規制区域は都市計画区域全域のほか、都市計画区域外にある集落などが対象。また特定盛土等規制区域は、市街地や集落などからは離れているものの、地形などの条件から人家に被害を及ぼしうるエリアとして設定している。

 今回の業務では、▽計画準備▽資料収集・整理▽大規模盛土造成地調査の課題整理▽既存盛土調査の実施計画策定▽既存盛土調査の試行▽報告書作成──などを行う。具体的には、昨年度の基礎調査に基づく既存盛土の調査計画をまとめるほか、県内の1カ所で試行調査を行う。県内全域での調査は来年度に別途行う方針だ。

 独自に区域指定を行う水戸市では、7月に基礎調査業務をアジア航測(本社・東京都新宿区)に委託し、検討を行っている。規制区域はまとまり次第公表する予定となるが、国の実施要領に基づくと、市全域が宅地造成等工事規制区域に該当する見込みだという。

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