成田空港の機能強化を議論 官民の検討会が初会合(国交省)
[2024/9/26 千葉版]
成田国際空港を「東アジアのハブ空港」として施設整備を進めることが必要不可欠であるため、国土交通省は24日、「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」を立ち上げた。初会合では、旅客施設と貨物施設について、量的な要素と質的な要素を整理し、航空事業者や学識者ら官民の委員が議論した。次回は鉄道など空港アクセスに的を絞って検討する。
この検討会は、新滑走路の整備などによって、成田空港の年間発着回数が50万回に増加されることを受け、ターミナルなど空港施設の整備や鉄道施設など空港アクセスについての議論を行う。同空港を管理する成田国際空港(NAA)が7月にまとめた「新しい成田空港」構想を踏まえ、これまでは参加していなかった航空・鉄道事業者を交えた検討を国として進める。今後、数回の検討会を開催し、必要となる機能など、事業者らの議論を受けて、NAAが旅客施設などの設計を進める。
初会合では、年間発着が30万回から50万回に増えたあとに求められる量的要素と質的要素が国土交通省から示された。量的要素としては、旅客数7500万人、貨物量300万トンと見込まれ、これに対応した施設規模が必要とした。質的な要素では、国際線の乗り継ぎ需要やインバウンド(訪日客)の取り込みが重要であるため、動線やターミナルのわかりやすさ、乗り継ぎの利便性、移動の迅速性、LCC(格安航空会社)に対応した施設整備が必要であるとされた。
NAAは「新しい成田空港」構想の内容を説明した。旅客ターミナルを集約ワンターミナルとし、貨物施設の自動化による効率化など、国が求める要素を満たした施設整備を進める方針を示した。
航空会社からは、インバウンド需要の取り込みが重要、北米とアジアを取り込んだハブ空港としての施設整備、人材不足に対応するため、働く人が魅力を感じられる先進施設の導入などの意見が出された。学識者からは、乗り継ぎの利便性を確保することや貨物施設の拡張に対応できること、働きやすい環境の創出などの意見が出された。