第一中学校に校舎新築 統合時期は28年度目標 学校のあり方・中間案(宮城県 村田町)
[2024/9/25 宮城版]
村田町は24日、議員全員協議会で「学校教育環境等のあり方基本方針」の中間案を示した。中学校は2校を1校に統合する方針で、施設は立地条件などを踏まえ、村田第一中学校を活用し、校舎は新築、体育館は新築または大規模改修の方向で検討していることが分かった。新校舎は2028年度までの完成を目指す。24日から保護者らへの説明会を開いて中間案を提案し、ここでの意見を盛り込み年内の基本方針策定を目指す。
現在の町立学校は、小学校が村田小と村田第二小の2校、中学校が村田第一中、村田第二中の2校。20年12月に同方針の見直しを行っており、この段階で未定だった統合時期・統合施設について検討を進めている。今回は、6~7月にわたって開催した地区住民・保護者説明会で出た意見や要望を踏まえ取りまとめた中間案を議員に説明した。
説明によると、小学校2校について、保護者などから早期の統合を求める声が多いことを勘案し、準備期間を経て27年度の統合を目標とした。建物は築14年と浅く、児童数増にも対応が可能なため村田小を活用する。同小の体育館は築54年を経過しており、統合の際には新築または大規模改修を検討する。
中学校は入学時期など小学校との接続の関係から、翌28年度の統合を目標に置いた。統合校は、浸水リスクや地理的、地盤、通学、統合費用など各条件を総合的に勘案し、村田第一中の活用を考えている。
施設については、地区説明会などで「校舎の新築」を求める声が多く、大規模改修より費用が高額でも敷地内に新校舎を建設し、長期間使用できる環境を整える方向で検討している。
新校舎の建築費用は概算で20億円以上が見込まれ、第一中の敷地が限られることから町は用地取得による敷地拡張の可能性も示した。体育館については築39年を経過しており、小学校と同様に新築または大規模改修を検討する。
なお、今回の統合において小中一貫校化は選択しない方針。統合により町が目指す適正規模(クラス替えが可能な学級数)が確保できること、加えて県内一貫校の事例が少なく実績・効果が十分に把握・分析できていないことを理由に挙げた。一方で、統合後、少子化が一層進む可能性も踏まえ、新校舎は将来的な一貫校化も加味した設計も視野に入れる。
議員からは、小中一貫校を整備するべき」や「子どもたちの意見を聞いてほしい」といった意見のほか、スクールバスの取り扱いなどについて言及があり、町は事業の推進に当たって町民らに対する丁寧な対応を約束した。
現時点で、詳細な年次計画は未定。まずは24日を皮切りに住民や保護者向けの説明会を計7回開催し、この中間案を提案する。説明会で出た意見・要望をさらにもんで、最終的に年末までに方針を策定する。その後、統合校の整備に向けて基本構想などに取り掛かる見通し。
同町では幼稚園や小中学校、児童学級、児童館など「学校教育環境等のあり方基本方針」を18年6月に策定。これ以降、急激な出生者数の減少傾向が続き、さらに幼児教育の無償化制度など取り巻く環境が大きく変わったことから20年12月に見直している。見直し版では小・中学校の統合時期・施設について「24年度までに方針を決定する」としていた。
■統合先(予定)の学校施設概要 |
学校・概要 | 校舎 | 体育館 | |
村田小 | 建築年月 | 2010年10月 | 1970年3月 |
耐震化 | ○ | ○ | |
規模 | RC造3階建て 延べ5131㎡ |
S造836㎡ | |
村田第一中 | 建築年月 | 1981年3月 | 1984年3月 |
耐震化 | ○ | ○ | |
規模 | RC造4階建て 延べ4942㎡ |
RC造 1305㎡ |