五浦海岸で消波工 主要事業 高萩塙線の道路改良推進(県高萩工事)

[2024/9/25 茨城版]
 県高萩工事事務所(飛田貢所長)は、本年度の主要事業に、道路事業では高萩塙線の道路改良舗装工事や、国道245号久慈大橋の架け替えに向けた工事用道路整備工事、新最終処分場関連道路のトンネル工事などを盛り込んだ。河川・海岸事業では、昨年9月の台風による被害への各種対策や、茂宮川の河道掘削、五浦海岸の消波工事を行う。このほか、花貫ダムでの設備更新などを盛り込んだ。

 幹線道路整備のうち、高萩塙線(高萩市下手綱~北茨城市中郷町)では、道路改良舗装工事を行う。同線は高萩市と北茨城市の連携を強化し、並行する国道6号の渋滞緩和を図る幹線道路。国道6号が津波で浸水した際に、代替道路としての機能も発揮できるよう整備を進めている。17年までに南側740mが供用を開始し、現在は残る区間で工事を実施している。全体計画は延長3650m、幅員13m(2車線、両側歩道2.5m)で、総事業費は85億円を見込んでいる。

 国道245号久慈大橋(東海村豊岡~日立市留町)の架け替えでは、工事用道路整備工事と用地補償を進める。久慈大橋は久慈川を渡河する延長368mの長大橋で、重要港湾である茨城港常陸那珂港区と日立港区を結ぶ。老朽化を受け、橋梁を架け替えて4車線化することで渋滞緩和と茨城港日立港区へのアクセス向上を図る。全体計画は延長1000m、幅員22m(4車線、両側歩道3・5m)とし、総事業は100億円となる。

 新産業廃棄物最終処分場関連道路では、本年度にトンネル工事と用地補償を行う。同路線は、日立市に整備する新最終処分場の搬入路として活用するとともに、地域振興も目的とした新設道路で、接続する現道への歩道設置や局所改良、国道6号との交差点改良を実施する。全体延長は4150m、幅員9m(2車線、片側歩道2m)で、総事業費は120億円と試算している。

 河川改修では、茂宮川(日立市茂宮町)で河道掘削工事を実施する。茂宮川は、常陸太田市高貫町地先に源を発し、日立市留町地内で久慈川に合流する。河口から国道6号までの区間は、排水の悪い湿地帯で耕地と平水位の高低差が小さいことから、頻繁に浸水被害が発生している。このため、1966年度から河川改修事業に着手し、築堤や河道幅の拡幅などを実施している。全体計画は延長3200mで、総事業費は85億4000万円に設定している。

 昨年9月に発生した台風13号に伴う緊急対策では、管内9つの二級河川で河道掘削に係る調査・設計や、調節池整備に向けた治水検討などを行う。このほか、河川監視カメラの設置や洪水浸水想定区域図の作成も予定。事業は概ね28年度までを計画し、治水安全度の向上や再度災害の防止を図っていく。

 海岸事業では五浦海岸(北茨城大津町)の浸食対策として、消波工事を行う。五浦海岸は北茨城市の北部に位置する崖海岸で、六角堂を中心に本県を代表する観光地。しかし、東日本大震災での崖地崩落の発生に加え、近年では自然の風雨や波浪による浸食が進行している。さらに、崖海岸の上部には住宅や生活道路、宿泊施設などが存在し、それらへの影響が危惧されるため、消波工を設置することで海岸の侵食を防いでいく。全体計画は延長900mとし、総事業費は5億円を想定している。

 ダム堰堤改良事業では、花貫ダムでテレメータ設備や気象観測設備などの更新を実施する。花貫ダムは管理開始から51年が経過し、老朽化が進んでおり、施設の管理に支障をきたしている。そこで、大規模で緊急性の高い施設の改良を行うことで、ダム機能の回復と向上を図っていく。全体計画では、ダム管理用制御処理設備などの更新に総事業費14億円を投じる計画だ。

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