事業費は177億円 取手駅西口再開発 総会で計画変更を承認
[2024/9/19 茨城版]
取手市の取手駅北土地区画整理事業地内で進められている取手駅西口A街区地区第一種市街地再開発事業で8月、事業主体である再開発準備組合の総会が開かれ、事業計画の見直しを決定した。現在の資材高騰などを受けた見直しでは、再開発ビルの施設計画や収支計画の再検討を実施。施設規模を縮小する一方、建設費の高騰などから事業費については総額約177億円に増額している。開催時期を延期していた住民説明会は10月にも実施する予定で、25年2月に都市計画決定したあと、25年度には組合設立と事業認可を取得し、27年度の着工を目指す。
再開発ビルは、取手駅北土地区画整理事業内で最後の街区となるA街区内(0.7ha)に計画しているもの。A街区は、エリア内に民間のビルや宅地が立地するため、事業の実施には地権者の意向を踏まえながら土地の高度利用を図る(共同化を目指す)ことと位置付け、組合施行による市街地再開発事業として進めている。
17年7月に基本構想を策定したあと、18年1月には事業協力者として大京・戸田建設JVを選定。19年6月には取手駅西口A街区地区市街地再開発準備組合が設立され、事業協力者とともに計画を進めている。
大京・戸田建設JVによる再開発ビルの提案では、商業・業務機能や公共公益機能、都市型集合住宅、広場空間を集約し、非住宅棟と住宅棟を建築物を整備する。非住宅棟には駐車場や図書館、商業・業務施設なども設け、住宅棟にはタワー型マンションとして、低層階にはサービス付高齢者向け住宅や保育施設などを設置する。
施設規模は当初計画から変更されてきたが、今回の見直しでは、主に住宅棟について変更を行っている。それによると、これまで25階建てとしたものを21階建てに変更。これにより、延べ面積も約3万6000平方mから約3万0800平方mに縮小した。住宅戸数は約200戸で変更はないが、内廊下としていた構造や配置も変更したほか、住宅棟内部に計画していた駐車スペースも、住宅棟とは別に車庫棟を建設する。
施設規模を縮小したことで資材高騰の影響も緩和されたが、建設費が高騰しているため、事業費はこれまでの約143億円から約177億円へと増額している。
取手市では、事業計画の見直し決定を受け、中断していた都市計画決定手続きに着手した。準備組合では、延期していた住民説明会を10月から開催し、3~4回ほど実施する考え。順調に進めば、25年度に事業認可取得と組合設立を予定し、27年度の着工後、29年度の完成を目指す。
市では、非住宅棟内に図書館機能を核とした複合公共施設の整備を計画している。現在は、市内部で基本構想を策定しているところで、早ければ本年度中にも基本計画の策定に着手する予定だ。
その後、26年度までに基本・実施設計をまとめ、再開発ビル着工後の28年度から着工する。供用開始は29年度中を予定し、概算事業費には約40~50億円程度を見込んでいる。