企業誘致へ測量調査 小泉地区の防集跡地1ha(宮城県 気仙沼市)

[2024/9/18 宮城版]
 気仙沼市は、本吉町小泉地区で企業誘致に力を入れるため、約1haの宅地(防災集団移転跡地)を測量調査する。17日付で測量調査業務の一般競争入札を公告しており、10月1日まで参加申請書を受け付け、同3日に開札する。業務対象地はすでに盛土済みとなっており、調査結果を同地への進出に興味を示す企業に提示し、立地しやすい有効な土地であることをアピールする。

 小泉地区では東日本大震災によって津波被害を受けた後、市が約3.8haの土地を産業用地として活用するため、一部を盛土造成した。この場所は三陸沿岸道路の小泉海岸インターチェンジ(IC)から約2kmの距離に位置しており、市のホームページで事業者向けに用地情報(宅地カルテ)を公開している。

 宅地カルテではA1~4、B1、C1~2に土地を分類している。このうちA1~2は盛土を実施済み。過去にはA1に鎌倉ビール醸造(神奈川県鎌倉市)の立地が決定し、同社がクラフトビールの製造工場を建設する計画になっていたが、新型コロナの影響などもあって進出を断念した経緯がある。

 今回は鎌倉ビール醸造が立地する予定だったA1のうち、東側の約1haについて測量調査などを行う。すでに西側は測量調査を実施済み。本来であればA2も一緒に測量調査したいところだったが、対象地が広くなりすぎるためA1の東側だけにした。

 今回の測量調査業務は、事前資料の調査と現地調査、土地筆界確認3~4級基準点測量、図面作成、分筆登記申請などを行う。履行期間は11月15日まで。

 入札の参加資格は、市内に事業所があり、登録業種が測量業務であることなど。入札に係る設計図書等は10月1日まで縦覧する。

 小泉地区では大震災津波の被害を受けた後、海岸沿いにL1津波を防ぐことができる防潮堤を整備したほか、地区内を流れる津谷川にも津波の逆流防止措置を施した。防集跡地の一部は大雨で浸水しないよう盛土も行った。

 鎌倉ビール醸造以外にも太陽光発電設備や産業廃棄物処理の事業者などが立地に興味を示しているが、市としては地域住民と一緒ににぎわいづくりに取り組めるような事業者の立地を希望しており、実際の誘致までには至っていない。

 市内ではこのほか、只越地区と片浜地区で企業誘致に向けた水源調査を行うとともに、都市計画区域外の8カ所を企業誘致の適地に選んでいる。

 水源調査は昨年度、日さく(仙台支店・仙台市太白区)に委託して行っており、水質や水量を把握済みで、進出希望者がどの程度を求めるかの判断材料として活用する。

 適地の8カ所については、建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託して調査を進め選んだ。大半が民有地であることから、具体的な場所は公表していない。基盤造成については、企業の動向も見ながら判断することになりそうだ。

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