工業地の上昇率が拡大 県内地価調査 宇都宮、小山、下野は上昇
[2024/9/18 栃木版]
国交省は18日に、2024年(令和6年)地価調査を発表する。県地域振興課がまとめた本県の地価調査によると、引き続き全用途平均が0.3%の下落となったが、下落幅をみると住宅地(0.4%)、商業地(0.4%)とも前年に比べ縮小し、工業地は上昇が継続して上昇率は前年より拡大した。住宅地と商業地は宇都宮市、小山市、下野市で上昇が継続したほか、住宅地で上三川町と壬生町は上昇に転じた。工業地については、標準地のある13市町のうち10市町で上昇が確認され、3市町も横ばいとなっている。地価上昇地点数は昨年と比較して28地点増加し137地点、横ばいは62地点となった。 =2-3面に県内地価一覧
地価調査は、一般の土地取引に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取引価格算定基準となるもので、1975年から実施されている。本県では、県内25市町の447地点を対象に調査が行われた。価格判断基準日は、2024年7月1日となっている。
県内住宅地の平均価格は、前年に比べ0.4%減の1平方m当たり3万4000円で、下落幅は0.1ポイント縮小した。変動率は宇都宮市・小山市・下野市で上昇が継続しているほか、上三川町は横ばいから上昇、壬生町は下落から上昇に転じた。他の20市町は下落しているが、下落率は縮小傾向にある。
住宅地で下落幅が大きかった市町を見ると、茂木町が2.5ポイント、日光市・那須烏山市・市貝町が2.4ポイントと続き、5位の塩谷町・那珂川町が1.8ポイントなどとなった。調査地点別では、日光市小代の4.6ポイントを筆頭に、日光市猪倉の4.3ポイント、日光市久次良町の3.9ポイントが3.7ポイントと続き、栃木市藤岡町藤岡と日光市足尾町赤沢が4位の3.7ポイントとなっている。
調査地点価格の上位は、宇都宮市宿郷3丁目が15万5000円、同元今泉5丁目が13万6000円、同城東2丁目と同元今泉7丁目が12万8000円で、5位は同陽東6丁目の11万9000円となっている。
商業地の平均価格は、前年比0.4%減の1平方m当たり平均6万8000円で、下落幅は0.2ポイント縮小した。変動率は、調査地点のある23市町のうち下野市・小山市・宇都宮市が継続して上昇している。他20市町は引き続き下落となったが、うち12市町は下落率が縮小している。
下落幅が大きかった市町は、茂木町が3.3ポイントでトップ。次いで那須烏山市が3.2ポイント、塩谷町が3.1ポイント、那珂川町が2.7ポイント、那須町が2.0ポイントと続いた。調査地点別では、栃木市藤岡町藤岡と佐野市葛生西1丁目が3.6ポイント、茂木町茂木が3.3ポイント、那須烏山市金井1丁目と那須町湯本が3.2ポイントとなっている。
調査地点価格の上位は、住宅地同様に宇都宮市が上位を占めた。具体的には、宇都宮市東宿郷1丁目が41万3000円、同池上町が31万8000円、同東宿郷4丁目が30万6000円、同江野町が28万0000円、同大通り2丁目が25万1000円となっている。
また、商業地の上昇率は宇都宮市が1位で、宇都宮市東宿郷4丁目と同東宿郷4丁目が3.0ポイント、小山市駅東通り1丁目と同駅東通り、下野市祇園1丁目が2.4ポイントとなっている。
工業地の平均価格は、前年比2.1%増の1平方m当たり1万6800円。宇都宮市・足利市・栃木市・佐野市・鹿沼市・小山市・真岡市・上三川町・芳賀町は上昇となり、大田原市・那須塩原市・さくら市も横ばいで、下落となった地点は無くなっている。