定住促進住宅の契約案を可決 PFIで30戸建設(五霞町)
[2024/9/14 茨城版]
五霞町は、13日の定例議会最終日に、定住促進住宅整備事業請負契約案の議決を得た。町としては初めてのPFI方式を導入し、原宿台地区と川妻地区の2カ所に計30戸の定住促進住宅を建設する。8月30日には、先行して事業者となるキラリごかタウン(代表企業・五霞建設、菊地和幸代表取締役社長)と事業契約の調印を交わした。請負契約額は11億9227万1226円(税込)で、今後設計に着手し、26年3月の入居開始を目指して事業を進めていく。
この事業は移住・定住対策として町有地に地域優良賃貸住宅を建設することで、町内に快適な居住環境を創出し、子育て世帯の転入促進を図るもの。民間の技術的・経営的ノウハウを導入した町初のPFI方式を採用し、原宿台と川妻に3LDK(専用面積約70平方m)の集合住宅を計30戸建設するほか、原宿台にはコミュニティセンターも整備する。
原宿台では、原宿台コミュニティセンターと隣接する辰堂公園(面積3184平方m)と合わせた5426平方mの敷地を活用し、共同住宅24戸を建設する。建設規模は、壁式RC造3階建てで延べ1864平方m。既存のコミュニティセンターは解体して新設し、新施設の規模はS造2階建て、延べ274平方mで計画する。駐車場は入居者用48台や来客用8台を含めて計68台分、自転車置場は住宅用とセンター用で計59台分をそれぞれ確保する。
川妻では、川妻川岸前公園の敷地1149平方mに共同住宅6戸を建設する。建設規模は壁式RC造2階建て、延べ466平方m。1階には専用庭を設け、子育て世帯に適した施設とする。駐車場は入居者用と来客用で計13台分、自転車置場は14台分を整備する。
事業者となる特別目的会社(SPC)のキラリごかタウンは、代表企業の五霞建設のほか、ユーミー設計、建設・運営企業のユーミーコーポレーション栃木支店で構成する。このほか、維持管理企業のクリハラ、資金調達企業の武蔵野銀行五霞支店が参加する。
近く事業契約を締結したあと、設計の策定と入居者募集を開始する。原宿台コミュニティセンターの解体工事は11月、本体建築工事は25年5月に着手し、26年2月の引き渡し、26年3月の入居開始を目指していく。事業期間は56年3月31日までの30年間とする。
事業契約の調印式であいさつした土信田法男副町長は、町が子育て世帯の転入促進を図るための住宅政策を強力に進めていることを紹介し、「その一環として定住促進住宅整備が起爆剤となり、完成時には満室となれば」と期待した。
菊地社長は、「町内で働いている人たちが住み、子育てできる環境を整備するには、PFI事業は良いスキームだと感じた。多くの皆さまの力を借りて調印式を迎えられたことは感無量だ」と述べ、「これからが本当のスタート。本年度の工事着手、来年度の入居開始、30年間の維持管理とたいへん長い事業期間となるが、官民の垣根を越えて、地元の皆さまや未来を担う子どもたちにより良い財産を残していきたい」と意気込みを語った。