労働条件審査を廃止 入札参加資格 パートナーシップ宣言新設(県監理課)
[2024/9/12 茨城版]
県土木部監理課建設業担当は11日、25・26年度県建設工事入札参加審査(格付)基準について、改正内容を公表した。変更点では、技術等評価項目の働き方改革で、労務費などの適切な価格転嫁を促進するため、「パートナーシップ構築宣言企業」の項目を新設。また、4月に開始した時間外労働の上限規制適用を受けて「労働条件審査」の項目を廃止した。申請の受付は11月ごろを予定し、詳細については今月下旬に公表する見通しだ。
パートナーシップ構築宣言は、事業者が取引先との共存共栄を目指し、サプライチェーン全体の付加価値増大や、発注者と受注者、専門工事業者間での望ましい取引慣行の遵守について取り組むことを宣言し、専用ポータルサイトで公表されるもの。具体的には、▽価格決定方法▽型管理の適正化▽現金払の原則の徹底▽知財・ノウハウの保護▽働き方改革に伴うしわ寄せ防止──の5項目を重点分野としている。大企業と中小企業がともに成長できる持続可能な関係の構築を図るため、20年5月の「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」で、制度の導入を決定した。
宣言に賛同する事業者は、重点5分野をはじめとする所定のひな形に沿って宣言を作成し、誓約書を添付したうえで、全国中小企業振興機関協会へ掲載を申し込み、承認後に公表される。
宣言は業種や規模を問わず可能。また、小規模で現時点において取引がなくても、今後発生した場合として宣言できる。登録内容について修正事項がない場合には、登録から3-4日後にはポータルサイトに宣言文がアップロードされるという。公表された企業には、働き方改革に対する意欲があるとして5点を加点する。
廃止される労働条件審査は、労働関係法令の順守や時間外労働の上限規制に適合しているかについて、県社会保険労務士会が認定を行い、最大20点が加点されていた。本年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が義務となったため、項目を廃止した。
このほかの働き方改革の項目では、これまでと同様に日本健康会議が認定する「健康経営優良法人」、県健康推進課が認定する「いばらき健康経営推進事業所」、県労働政策課が認定する「働き方改革優良(推進)企業」の取り組みについても評価する。「健康経営優良法人」には20点、「いばらき健康経営推進事業所」には2点、「働き方改革優良(推進)企業」には5点又は2点で、週休2日等の取り組みを行う場合は5点が加算される。なお、算出した点数の上限は20点とする。
今回の改正内容について、横須賀正美副参事は「働き方改革を推進し、人材確保や働きやすい職場環境をつくってほしい」とコメントしている。
詳しい問い合わせは、県土木部監理課建設業担当(電話029-301-4334)まで。