本県普及率は89.9% 汚水処理人口 下水道は69.7%で0.5ポイント増(国交省など)

[2024/9/10 栃木版]

 国土交通省と農林水産省、環境省は、2023年度末の汚水処理人口普及状況を公表した。全国の汚水処理人口普及率は93.3%で、昨年度の調査から0.4ポイント増加した。本県の状況は89.9%と0.6ポイント増加して、前年度から1つ順位を上げ全国24位の普及率。このうち下水道については、69.7%と0.5ポイント増加したものの、全国普及率の81.4%を下回り全国26位となっている。昨年3月に改定した県生活排水処理構想では、下水道に農集排、浄化槽などをあわせた生活排水処理人口の普及率を、短期目標の26年度に91.2%、中期目標の35年度に94.7%、長期目標の50年度に98.5%まで引き上げる目標を掲げている。   =2-3面に下水道の日特集

 国交省と農水省、環境省は毎年合同で、各々が所管する下水道、農業集落排水施設、浄化槽など汚水処理施設の処理人口を調査し、総人口に対する割合を統一的な指標である「汚水処理人口普及率」として公表している。

 23度末の全国の汚水処理施設の処理人口は1億1614万人で、汚水処理人口普及率は93.3%と22年度末から0.4ポイント増加した。一方で、約830万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、特に人口5万人未満の市町村の汚水処理人口普及率は、前回調査から0.6ポイント増の84.0%となったものの、全国平均から大きく後れている。

 処理人口を各処理施設別にみると、下水道によるものが1億0128万人(総人口に対する普及率81.4%)、農業集落排水施設等によるものが294万人(同2.4%)、浄化槽によるものが1177万人(同9.5%)、コミュニティ・プラントによるものが15万人(同0.1%)だった。

 本県については、総人口約191万人に対し汚水処理人口約171万7000人で、汚水処理人口普及率は89.9%。汚水処理人口の内訳は、下水道が133万2000人、農業集落排水施設等が7万4000人、合併処理浄化槽が31万人、コミュニティ・プラントが1000人となっている。

 市町別では、宇都宮市が99.4%、上三川町が99.1%、下野市が98.8%、芳賀町が97.3%、野木町が94.4%で全国の普及率を上回り、このほか市貝町(92.3%)、壬生町(92.1%)、小山市(91.4%)、鹿沼市(91.2%)、足利市(90.9%)までが県の平均を上回っている。

 このうち下水道をみると、宇都宮市が91.3%、下野市が82.8%で全国の普及率を上回り、次いで上三川町(80.7%)足利市(78.1%)、野木町(73.8%)、壬生町(72.1%)、佐野市(70.1%)までの7市町が県の平均を上回った。

 汚水処理施設の整備は、地域の実情に応じた整備方法、整備スケジュールなどを設定した「都道府県構想」に基づいて、各地方公共団体が効率的、効果的な実施に努めており、国は引き続き、汚水処理施設の未普及地域早期解消に向けた支援を推進していく。

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