土浦港で市場調査 県有施設調査特別委が会合開く(県議会)
[2024/9/7 茨城版]
県議会の県有施設・県出資団体等調査特別委員会(田山東湖委員長)は3日、第11回会合を開催。議事では、県有施設・県出資団体として笠間栗ファクトリ-、鵜の岬、鹿島セントラルビル、土浦港の4施設について、現状と対応方針を審議した。このうち、土浦港では周辺の土地を所有する土浦市と連携して、活性化に向けたサウンディング調査を行う方針が執行部から示された。
土浦港は、85年のつくば万博の関連で、土浦駅東側周辺の開発が必要となったことなどから整備した。砂利採取の搬出のために整備した新港地区と、ヨット、プレジャーボートなどのレジャー港として整備した川口地区で構成する。90年の開港で、敷地面積は32.6ha。土浦市が新港地区と川口地区の間に土地を所有し、マリーナ施設を運営している。
両施設とも建設後30年が経過し、将来的な経年劣化への対応も必要な状況。また、新港地区は現状利用が少なく、川口地区もプレジャーボートの係留数が減少している。
こうした中、土浦市では土浦港と市有地であるその後背地を含む周辺地域について、今後のあり方、活性化策などを検討する意向を示した。このため、県と土浦市が共同で活性化に関するサウンディング調査を行い、まずは施設の利用促進のための事業アイディアなどを把握する。11月までに公募を開始し、11月から12月までに市場調査を実施する計画だ。
鹿島セントラルビルでは、優先交渉権者に選定したフォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社との各種調整や協議について、執行部から説明があった。県議会第3回定例会には、同社が設立した特別目的会社である八重桜合同会社に対し、県が所有する土地と建物を売却する議案が提出されている。議決後はグループとして長期的に施設の保有、運営を行っていく。
鵜の岬では現在、料金改定も含めた収益構造の改善策やターゲット層の拡大策、更なる設備投資やサービス拡充などについて、県開発公社との間で意見交換を実施しているとした。具体的には、将来の大規模修繕などに備えて、宿泊料金の値上げに係る収支シミュレーションなどを行っている。ただし、値上げに関しては利用者の選択行動にも影響することから、公共性と市場性、サービス内容との妥当性なども考慮する。
12月からは、電話予約と併用してホームページ上でのインターネット予約システムの導入を決定。今後は近年の経済情勢を踏まえるとともに、適正な料金設定について速やかに検討を進めていく。
このほか、県出資団体の笠間栗ファクトリ-については、26年度の借入金元本返済の開始に向けて、安定した経営の実現に引き続き努めていくとした。
次回の第12回県有施設・県出資団体等調査特別委員会は、今月30日を予定。これまでの議論を調査結果報告書として取りまとめるほか、議会が県有施設・県出資団体の運営状況に関して継続的な関与が維持できるよう求めていく。