60カ所で被害額24億円 先月の豪雨被害 10月中にも災害査定(県河川課)

[2024/9/4 栃木版]

 県河川課は、8月24日から26日にかけて発生した豪雨による公共土木施設の被害状況をまとめた。県管理施設は河川49カ所、砂防3カ所、道路4カ所の計56カ所が被災し、概算の被害額を22億5600万円と試算した。このほか、市町でも道路2カ所と橋梁2カ所が被災し、4カ所で概ね1億5100万円の被害が発生している。このあと国庫災害復旧事業として国に申請し、10月中にも国の災害査定を経て査定額を決定したあと、災害復旧工事を実施する。

 県管理の河川は、49カ所が被災し合計17億6900万円の被害額を試算した。主な被災箇所は、宇都宮市石那田地内で一級河川田川の護岸が延長30mにわたり流出。鹿沼市の朝日町では、一級河川黒川が延長50mにわたって河岸が崩壊した。また、日光市小倉では行川の延長90m、さくら市喜連川では荒川の延長100mで、同様に河岸の崩壊が発生した。

 砂防は、鹿沼市上大久保の上山沢や塩谷町の荒川上流部など3カ所で河岸の崩壊が発生し、概算の被害額は合計で4億1400万円を見込む。

 道路は、県道石裂上日向線の鹿沼市上久我地内で延長100mにわたり、法面が崩壊した。このほか3カ所でも被害が発生し、想定被害額は4カ所あわせて7300万円と試算している。

 市町については、道路が塩谷町風見山田の町道大宮佐貫線で法面が崩れ、矢板市の市道でも同様に被害が発生して、2カ所で5100万円の被害額を試算した。また、壬生町羽生田の一級町道6号線に架かるもぐり橋や、野木町の水路橋にも橋面の損傷が確認され、2カ所で被害額1億円を試算した。

 宇都宮地方気象台によると、8月24日から26日にかけての豪雨により、時間雨量が塩谷で81.0mm、宇都宮で74.0mm、鹿沼で56.5mm、黒磯で45.5mm、真岡で40.0mmを観測。特に25日夜から26日未明にかけて県内では線状降水帯が発生して、塩谷町付近や鹿沼市付近は記録的短時間大雨情報が発表された。県内を対象に「顕著な大雨に関する気象情報」が発表され、県内各地で浸水害や土砂災害の大雨警報や洪水警報も発表された。

 県危機管理課と消防防災課のまとめによると、人的被害は無かったものの、住家は鹿沼市で16棟(床上浸水1棟、床下浸水15棟)、日光市4棟(床下浸水4棟)、那須塩原市1棟(床下浸水)、塩谷町1棟(床下浸水)に被害が生じた。

 河川は、一級河川荒川の連城橋で氾濫警戒情報(警戒レベル3相当)が発表されたが、26日午前5時50分に氾濫注意情報(警戒レベル2相当)へ引き下げられた。土砂崩れ等は、宇都宮市宮山田町で法面崩壊が1カ所発生し、宇都宮市で対応した。

 道路の状況は、日光宇都宮道路が全線通行止めとなり、国道も293号の鹿沼市仁神堂町(仁神堂橋)や120号の日光市足尾の鋼庚申アンダー、121号の日光市板橋で通行止めとなったが、いずれも解除された。県道や市町道は、各所で道路冠水や越水、土砂流出、倒木などにより通行止めとなったが、地元の建設業者の奮闘で多くが解除されている。

 県有施設は、那須学園で床下浸水2カ所と非常用設備の故障、総合教育センターで床の一部に浸水と天井の一部に雨漏り、今市高等学校で落雷により火災報知器及び第2体育館教官室のエアコン故障、那須清峰高等学校で第1体育館の消防設備不具合、盲学校で敷地内での倒木、那須特別支援学校で火災報知器の故障が発生した。

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