九十九里・南房総地域の水道統合へ施設整備計画 老朽化対策など765億円 (千葉県)
九十九里・南房総地域の水道統合に向けた施設整備計画が3日、明らかになった。計画期間を20年間とし、浄水場や管路の老朽化対策、耐震化などを進めていく方向性が盛り込まれている。総事業費は765億円を概算。2026年4月の統合を目指す。
3日にウェブ方式で開かれた「九十九里地域・南房総地域水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会」(会長・熊谷俊人知事)の第8回会合で、施設整備計画などが了承された。
将来にわたる安定給水を確保できるよう、統合から20年間を計画期間とした施設整備計画を作成し、老朽化が進み、耐震性に欠ける施設や設備を計画的に更新していく。総事業費は、老朽化対策605億円、耐震化160億円の計765億円を概算している。
主な事業をみると、光浄水場(横芝光町)に67億円、東金浄水場(東金市)に98億円、長柄浄水場(長柄町)に190億円、大多喜浄水場(大多喜町)に158億円をそれぞれ投入し、設備の更新や耐震補強を実施する計画だ。
管路整備をみると、九十九里地域では老朽化対策に113億円、耐震化に110億円、南房総地域では耐震化に30億円をそれぞれ配分している。
浄水場の統廃合など施設の最適化については、浄水場の更新が計画期間後に想定されることから、統合後に水需要や施設の稼働状況を踏まえ、具体的な検討を進めていく。
会合で熊谷会長は「水道施設の老朽化や耐震化が課題となるなか、この統合は水道施設の整備を計画的に実施するものであり、将来にわたり、安定的な給水の確保を図る上で、大きな意味がある」と強調した。