一般競争入札を拡大 汚職事件の再発防止で方針案(千葉県コンプラ委)

[2024/9/2 千葉版]

再発防止に向けた取り組み方針の素案について審議

再発防止に向けた取り組み方針の素案について審議


 千葉県コンプライアンス委員会(会長・眞田範行弁護士)が9月2日、県庁で開かれ、県土整備部の元職員による汚職事件の再発防止に向けた取り組み方針の素案について審議した。同素案は、汚職事件を検証する有識者会議の提言を受けて県がとりまとめ、一般競争入札を拡大し、2024年度から試行する方針などを盛り込んでいる。5日に開催予定の県コンプライアンス推進本部会議(本部長・熊谷俊人知事)で決定後、具体的な制度設計に着手することにしている。

 今後の再発防止に向けた取り組み方針は、汚職事件を検証する有識者会議(眞田範行座長)が熊谷知事に提出した[1]コンプライアンス・倫理条例のさらなる周知徹底[2]事業者との適切な関係性の確保[3]働きかけへの対応[4]退職者への対応[5]入札契約のあり方[6]入札情報などの管理のあり方──の6項目に沿って県が作成した。

 事業者との適切な関係性の確保については、利害関係者との飲食のうち、不適切な関係につながるリスクの低いものは届出の対象外とし、実効性を確保するため、より簡易な届出の方法を導入する。毎年度、飲食の届出の件数を公表する。

 出先機関幹部職員が個人携帯電話を通じた業者からの働きかけを受けるリスクを低減するため、公用携帯電話を導入する。

 業者からの働きかけへの対応については、不当な働きかけを受けた場合、記録し所属長に提出する制度を導入し、毎年度、その件数を公表する。

 入札契約制度については、不良・不適格業者の排除や地域振興の育成を図るための必要な条件を設定し、事務負担の軽減を図った上で、一般競争入札を拡大、24年度から試行する。

 透明性の向上のため、落札率を含めた入札・契約結果の一覧表を公表する。

 不正を行った業者に対するペナルティーについては、指名停止期間について、現状では最も短い期間を適用し、内容の悪質性を踏まえて延長しているが、当初から最も長い期間を適用する。

 入札情報などの管理のあり方については、開札時にシステム上でランダム係数を乗じて調査基準価格などを算出する方式など、秘匿を要する情報を直前に作成する仕組みを25年度から導入する。

 県コンプライアンス委員会では、委員から、一般競争入札の拡大範囲について質問があり、県土整備部からは、「どのように拡大していくのかを含めて今後検討していく。積極的な拡大になるのかなど現段階では決まっていない」との説明があった。

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