茎崎給食レストランの計画案公表 秋にも設計プロポ(つくば市)
[2024/8/31 茨城版]
つくば市は、「茎崎給食レストラン(仮称)整備基本計画案」を策定し、公表した。この施設は、茎崎第二小学校隣接地にある旧岩崎保育所を解体した跡地に建設するもので、同校に自校式給食を提供するほか、市民向けの給食レストランを設け、給食食材の地産地消拡大や地域住民へ交流の場を提供する。この基本計画を基に、24-25年度で基本・実施設計を策定し、28年度の供用開始へ工事を進める。設計の業者選定は公募型プロポーザル方式を採用し、10-11月ごろに公示する見通しだ。
市では現在、4カ所の学校給食センターから小・中学校や幼稚園などへ1日約2万5000食の給食を提供しているが、今後の学校給食の施設整備や課題について検討するため、「学校給食の在り方懇談会」を設置し、新しい施設整備に向けての検討を進めてきた。今回、この検討を踏まえ、基本計画案を策定した。
施設の機能には、▽給食食材における地場産物の貯蔵および加工機能の導入▽炊飯機能の導入▽市民に向けた給食レストラン機能の導入▽学校ランチルームとしての活用──などを盛り込む。
整備方針には、▽環境配慮(持続可能な施設管理や環境負荷に配慮した施設整備、電気・蒸気・ガスの併用など)▽調理場(ドライシステム方式、1日最大300食1献立の調理が可能、食育のために外部から見える施設)▽貯蔵庫および加工施設(プレハブ冷蔵庫や冷凍冷蔵庫、下処理した農産物の冷凍保存)▽食堂(ランチルーム)・給食レストラン(1日約50食を給食レストランで提供、自然素材〔木質など〕を利用、多様なコミュニケーションが可能なオープンスペース、学校からのスムーズな移動可能な動線)▽市民が利用できる多目的スペース(調理実習室の設置検討、食育の拠点としての役割)▽様々なコミュニケーションスペース(廊下や共用部にベンチやたまり場を設置)▽駐車場(30台程度を確保)──を掲げる。
建設予定地は、小学校東側に位置する下岩崎地内の旧岩崎保育所用地2646平方mを充てる。本年度は相澤建築設計事務所(つくば市)で、旧岩崎保育所の解体設計を策定している。
建物はS造2階建てとし、1階には調理関連部門や事務関連部門各室、2階には給食レストランや食堂(ランチルーム)、会議室兼調理実習室を設ける。
基本計画策定後は、24-25年度で基本・実施設計を策定するため、当初予算には設計委託料に1903万円の継続費を設定している。25年度には旧岩崎保育所の園舎(木造平屋、475平方m)解体工事や各種許認可を取得する。本体建設工事は26-27年度で行い、27年度にプレオープン(給食レストラン)し、28年度には児童への給食提供を開始して、本格稼働する。
今後の課題としては、厨房機器・設備および運営備品の選定、施設周辺環境への配慮、災害時機能などの検討を行う必要がある。
市では現在、9月12日までの期限で「茎崎給食レストラン(仮称)整備基本計画案」に関するパブリックコメントを実施し、広く意見を募集している。9月中旬には運営審議会などに諮り、寄せられた意見を踏まえて基本計画としてまとめる考えだ。