大宮町を2車線で開通 事業概要 111カ所に事業費105億円(栃木土木)
[2024/8/30 栃木版]
県栃木土木事務所の2024年度の事業概要によると、本年度は事業箇所111カ所に105億3160万円を計画する。内訳は、道路・街路事業が46億5690万円、河川・砂防事業が58億7470万円。新たに小山壬生線の扶桑工区と大戦防小山線の雨ヶ谷工区で事業に着手するほか、主要事業では永野川で橋梁や堰の改築、巴波川でシールド工事を推進する。道路は、都計道小山栃木都賀線の合戦場工区の4車線化や大宮町工区の暫定2車線整備で年度内の完了を目指し、羽生田上蒲生線の関沢橋工区は用地取得後に迂回路の仮橋を着工する。主要地方道藤岡乙女線の乙女大橋は、本年度にP3橋脚とA1橋台を発注する。 =2面に主要事業箇所
乙女大橋はP3とA1を発注
新規の主要地方道小山壬生線扶桑工区は、一級河川姿川に架かる半田橋前後の区間で小山壬生線と県道小山環状線が重複し、前後の交差点に右折レーンが無く朝夕の交通渋滞が激しいことから、暫定的な措置として交差点改良を実施する。事業区間は扶桑歩道橋交差点側が延長340mと、羽川西小前交差点側が延長280mの計620mで、両交差点とも右折レーンを設けるほか横断歩道橋を架け替える。現在は道路詳細設計を進めており、このあと用地測量も実施する。
県道大戦防小山線の雨ヶ谷工区は、小山環状線との交差点から約1.1km区間が幅員6.5mの歩道がない2車線道路となっており、14mに拡幅して両側歩道と自転車通行空間を設ける。現在は道路詳細設計を実施しており、終わり次第、地元説明会を実施して用地測量に着手する。
また主要事業は、永野川で栃木市大平町から皆川城内町の区間の災害復旧助成事業に取り組んでいる。事業延長10.6kmのうち6.7kmが完了し、現在は2.7kmを施工中で事業進捗率は約9割。本年度は千部橋と両明橋、諏訪橋と、榎本堰、新西野田堰、三杉堰で改築工事などを実施しており、今後は構造物周辺の護岸を施工して、25年度の完了を目指す。なお、JR両毛線橋梁の箇所は暫定措置として、堤防嵩上げなどで流下能力の確保を図る。
JR両毛線橋梁の架け替えと橋梁上下流の河川断面の拡大は別事業として、交付金事業を実施する。内容は掘削や築堤、護岸工およびJR橋梁の架替で、本年度は調査設計を実施している。橋梁架け替えはJRが担当し、用地の見通しがつけばJRと協定を締結する見通しとなっている。
巴波川の河川激甚災害対策特別緊急事業は、地下捷水路の本体工事でシールドマシンの発進立坑(流出立坑)をまもなく完了させ、年度内にもシールド工事に着手する見通し。また、地下捷水路流入施設やシールドマシンの到達立坑も、このほど発注した。
地下捷水路の完了によって、巴波川の流量が増えることから、流出施設の下流側の沼和田町では河川改修を実施している。河道の掘削や堤防嵩上げ、堰改築などの内容で、全体延長は9200m。本年度は、引き続き河道掘削や水路付け替え工事を実施する。
道路事業は、栃木西部都市連絡幹線の一部を構成する都計道小山栃木都賀線(主要地方道宇都宮亀和田栃木線)の合戦場工区で、暫定2車線で供用開始した区間の4車線化を進めており、年度内の事業完了を目指す。
また、大宮町工区は暫定2車線で年度内の開通を目指し、舗装工事などを施工中。県道栃木環状線の今泉町工区は引き続き用地調査や用地買収を進め、栃木小山線の卒島工区は暫定2車線での開通に向け、改良工事や舗装工事を継続する。
主要地方道栃木二宮線の大宮工区は、現道の南側にバイパスを整備しており、広域農道まで西側の1期工区1.3kmが供用開始している。現在は、その東側で県道小山都賀線までの2期工区1.1kmを施工しており、本年度は引き続き用地買収と道路改良工事を実施する。
都計道おもちゃのまち下古山線の現道拡幅および電線地中化は、若草町工区で東武鉄道との交差部で排水管の推進工事を実施しており、跨線橋は東武鉄道と協議中。その東側のおもちゃのまち工区では用地買収を進め、さらに東側の関沢橋工区は、残る未買収用地が解決すれば、関沢橋の下流側に迂回路の仮橋を架ける工事から着手する。
主要地方道羽生田上蒲生線の上古山工区は、下野スマートIC設置のため北関東道両側の側道を拡幅し、ETCゲート設置による影響部の延長約580mを付け替える。本年度も引き続き工事を実施し、NEXCO東日本の工程とあわせて県道を振り替える。
主要地方道小山環状線の粟宮アンダーは、JR宇都宮線の踏切部を立体交差化(アンダー形式)するもので、延長は760m、幅員は車道2車線と両側歩道など計17.5mで計画。本年度は西側の埋蔵文化財調査と東側の用地買収、およびJR東日本に委託して予備設計を進めていく。
県道結城石橋線の花田工区は、県土地開発公社で造成中のしもつけ産業団地に関連し、造成地東側に接する県道を延長2000mにわたり幅員12.5mまで拡幅して片側に歩道を設置する。まずは産業団地に出入口の交差点部分を先行し、本年度は用地買収や改良工事を実施する。
主要地方道藤岡乙女線の乙女大橋は、老朽化が進み幅員も狭いため、下流側に架け替える。これまでに橋脚のP1とP4の2基が完了して、P6を施工中。本年度は橋脚のP3と橋台のA1を発注するほか、水路の函渠の設計も委託する。残る下部工については、来年度の発注を予定する。
杣井木川と巴波川と永野川が合流する押切地区では、内水対策のため排水機場の増強と調節池整備に取り組んでいる。排水機場の増強は昨年度までに完了し、本年度は調節池の用地調査や用地測量を実施する。押切地区では小山市でも、輪中提の整備や防災集団移転事業などを計画している。