国補事業に69億円 歩行者用信号灯器をLED化 工事12件で債務負担行為(県9月補正)
[2024/8/28 茨城版]
大井川和彦知事は27日、県庁で記者会見を開き、9月4日に開会する県議会第3回定例会の提出議案を明らかにした。このうち、一般会計補正予算には77億6500万円を追加し、総額を1兆2601億7800万円とする。主なものでは、国の直轄事業負担金のほか、橋梁の修繕や耐震補強、ダム長寿命化計画の更新などといった国補公共事業に69億4200万円を充てる。また歩行者用信号灯器のLED化や、田んぼダムの取り組み支援に係る経費などを盛り込んだ。このほか、来年度の公共工事の平準化を目的に、12件の工事請負契約で債務負担行為を設定している。
今回の補正では、事業者の多様な人材の活用や生産性を図るための取り組みを促進するほか、水田を活用した流域治水対策や老朽化した橋梁の修繕をはじめとする防災・減災対策など、県政の課題対応へ必要な事業について予算を計上した。
主な事業のうち、建設業関連では国補公共事業に69億4200万円を予算化。このうち、地方道路整備事業には9億9800万円を配分し、緊急対応が必要な橋梁修繕や耐震補強を行う。対象は国道294号細代跨線橋など15カ所となる。ダム堰堤改良事業には8500万円を計上し、花貫ダムなど5カ所のダムで、長寿命化計画を更新する。
特定交通安全施設整備事業には4100万円を確保。安全かつ円滑な交通を確保するため、歩行者用信号灯器について、視認性向上や地球温暖化に資するLED化を推進する。対象は37カ所を予定する。
新規事業の田んぼダム促進緊急対策事業では1億3600万円を予算化した。これは近年の頻発・激甚化する浸水被害によって排水機場の運転時間が増加していることから、雨水を貯める田んぼダムの取り組みを支援するもの。具体的には、堰板の小さな穴で排水を抑制し、水田内に雨水を貯留することで、流域治水や内水氾濫対策を行う。今回は、流域治水プロジェクト対象河川の流域内の水田のうち、近年の豪雨により浸水被害があった500haを対象に、落水桝の設置や畦畔の補強などの経費を支援していく。
債務負担行為では、来年度の公共工事の平準化を図るために設定した。対象は12件となり、限度額は合計で40億0400万円となっている。
以下、債務負担行為の内容は次の通り(▽事項=[1]事業内容[2]限度額)。
【一般会計】
▽地方道路整備工事=[1]土浦竜ケ崎線、阿見町小池地内ほか4カ所の地方道路整備[2]8億5000万円
▽県単道路緊急修繕工事=[1]国道125号、土浦市高岡地内ほか23カ所の舗装修繕[2]9億4000万円
▽県単道路植栽管理工事=[1]道路の植栽管理[2]8億円
▽県単道路維持工事=[1]道路の路面清掃[2]8000万円
▽橋梁点検業務=[1]鉄道および高速道路を跨ぐ道路橋の定期点検[2]1億9000万円
▽電線共同溝整備工事=[1]上水戸停車場千波公園線、水戸市大工町地内ほか2カ所の電線共同溝整備[2]1億2000万円
▽県単交通安全施設工事=[1]道路の交通安全施設[2]1億5000万円
▽国補河川改修工事=[1]中丸川、ひたちなか市東石川地先の河川改修[2]2億円
▽海岸保全施設整備工事=[1]鹿嶋海岸、鹿嶋市荒野地先ほか1カ所の養浜[2]7000万円
▽県単水辺空間づくり河川整備事業工事=[1]前川、潮来市潮来地先の河川堤防護岸の修景[2]500万円
▽港湾統合補助事業工事=[1]鹿島港の浚渫に係る工事[2]9900万円
【特別会計】
▽茨城港常陸那珂港区機能施設整備工事=[1]茨城港常陸那珂港区のふ頭用地整備および荷役機械整備[2]5億円