矢板市土屋で渋滞対策 道路行政マネジメント会議 簗瀬3丁目交差点は検討継続
[2024/8/27 栃木版]
国交省宇都宮国道事務所や県などは26日、同事務所で「第29回道路行政マネジメントを実践する栃木県会議」(委員長・森本章倫早稲田大学理工学術院教授)を開催した。今回の会議では、渋滞対策として国道4号の矢板市土屋単路部で「薄層舗装による速度抑制と注意喚起」などを実施すると報告したほか、主要渋滞箇所のモニタリング結果を審議して西那須野下石上線の「野崎二区町交差点」を解除することとした。事故対策では、国道4号の簗瀬3丁目交差点で路面標示やカラー舗装などの対策を検討したが、引き続き関係者間で協議が必要として継続審議とした。
議事に先立ち、森本委員長は「2005年11月に1回会議を開催し、20年近くPDCAを回し続けたというのは非常に大きな成果。LRTも含め道路全体を包括的に考えながら、円滑化や安全性を議論することが大変重要」と話し、委員の活発な意見を求めた。
渋滞対策の議事では、主要渋滞箇所の進捗状況を報告したほか、最新データによるモニタリング結果を審議した。主要渋滞箇所は2013年1月に主要渋滞箇所321カ所を登録し、対策を進めてこれまでに56カ所を解除した。本年4月末時点で残る265カ所のうち60カ所が事業完了し、国道4号の西那須野道路や矢板大田原バイパス、矢板拡幅など87カ所で事業を進めている。
このうち矢板大田原バイパスは、昨年度末に用地設計説明会を開催して用地に着手した。引き続き事業を推進するとともに、矢板市周辺の中期的な対策では「矢板市土屋単路部」で「薄層舗装による速度抑制と注意喚起」および「カーブ区間のドットラインの塗り直し」を実施する予定。また矢板拡幅は、22年度から江川橋付近で工事を着手して、鋭意工事を進めている。
県道大戦防小山線は、国道50号から南側の城南地区で植樹帯をなくし歩道幅員を狭め、自転車通行帯を車道側に設置するとともに、店舗などに入ろうとする車両が活用できるよう中央にゼブラ帯を設ける渋滞対策を実施して、本年3月に工事が完了した。事業区間内で旅行速度の向上が見られ、効果が発現されていることが確認された。
最新データによるモニタリング結果では、「全流入方向」でモニタリング3指標をクリアしている8カ所で現地踏査を行った結果、西那須野下石上線の「野崎二区町交差点」1カ所を解除する。「主道路のみ」は、同様に3カ所を現地踏査した結果、一部で速度低下がみられたため、今回は解除を行わずモニタリングを継続する。
「野崎二区町交差点」は21年3月に交差点改良工事を実施し、平日朝夕ピーク時の旅行速度が向上していることを確認している。その他の解除候補区間は、一部時間帯で速度低下の発生が確認されたため、今回は解除を見送った。
来年度の解除候補箇所は、「全流入方向」が▽(仮称)足利市中央消防署東分署東交差点(佐野太田線)▽(仮称)西参道バス停交差点(国道120号)▽上戸祭町交差点(国道119号)-の3カ所、「主道路のみ」が▽東小屋交差点(国道4号)-の1カ所で、今後現地踏査などを行い、主要渋滞箇所の位置づけを検討する。
事故対策では、審議対象箇所として23年度に新たに選定された国道4号簗瀬3丁目交差点を取りあげ、事務局の事故対策案を検討した。この交差点は宇都宮真岡線との交差点で、近年4年間に8件の事故が発生。このうち5件が右折事故で、自転車を見落とし巻き込む事故が特徴的であり、この右折事故に注目する。
対策案は、右折に差し掛かる際の速度を抑制するため原則路面標示(ドットライン)を設けるほか、「横断者注意」の路面標示・カラー舗装を設置する。また、横断歩道の長さを短くして無理な横断を予防するため、県道の中央分離帯部に交通縞を設置する。委員から様々な意見が出され、関係者間で引き続き協議が必要なったことから、この箇所の対策は継続審議とすることにした。
事故危険区間は、事故危険区間653カ所(代表区間76カ所)について、本年3月時点で対策完了が113カ所(代表区間28カ所)となった。未対策箇所と追加対策箇所については、優先的に検討していく。