四童子県土整備部長の就任インタビュー 新時代のインフラ整備 地域守るために建設業が不可欠(千葉県)

県土整備部の四童子部長

県土整備部の四童子部長

[2024/8/24 千葉版]
 県土整備部長に就任した四童子隆氏が本紙インタビューに応え、「新時代にふさわしい効果的なインフラ整備に全力を尽くしていきたい」と抱負を語った。「質の高いインフラを整備・維持し、災害時に地域を守るためには建設業の存在が不可欠」と述べ、建設業の活躍をPRする必要性を訴えた。

 ──就任の抱負を。

 「道路や河川などのインフラは経済・暮らしを支える重要な社会基盤となるが、整備には長い時間がかかる。広い視野を持って、戦略的に世代を超えて、リレーをつないでいきたい」

 「県内インフラは転機を迎えていると思う。外環道が開通し、まもなく圏央道の県内区間も全線開通する見込みのなか、これまでの投資が形になるフェーズに移行している。このようなタイミングで県土整備に携われることは、とても幸運だ」

 ──本県のイメージや関わりは。

 「子どものころから、潮干狩りや海水浴、東京ディズニーランドなどに連れて行ってもらった思い出があり、昔から親近感を持っている。現在は船橋市内に自宅があり、電車で通っている。東京にも近く、成田国際空港もあり、歴史や自然、観光、食べ物など、非常に高いポテンシャルがあると思う」

 ──印象に残っている仕事は。

 「国交省では道路の調査や計画を中心に携わってきた。東日本大震災では復興道路として三陸沿岸道路の必要性が高まり、地元自治体と一丸となって、異例のスピードで進めていくことができたことが、とても印象深い」

 「外務省在ロサンゼルス日本国総領事館の領事時代には、カルフォルニア州が料金を時間帯に応じて変動させる“ロードプライシング”など先進的な取り組みを進めていたので、政策面で参考になった。日本の良さを再認識する機会にもなったと思う」

 ──重点的に取り組みたいことは。

 「国交省道路局で“世界一、賢く・安全で・持続可能な基盤ネットワークシステム”(WISENET)の政策に携わった経験を活かし、インフラのサービスレベルをシームレスにする取り組みに挑戦したい。国や市町村と課題を共有しながら、効果的な対策を検討していく」

 ──激甚化する災害にどう対応する。

 「本年1月に発生した能登半島地震では、道路が寸断し、アクセスが限定されたため、復旧や支援の面で大きな支障となった。本県も半島性という共通の課題があることから、道路啓開計画の策定作業を進めている。災害に備え、県建設業協会など関係機関との連携をさらに強化していく必要がある」

 ──建設業界に求めることは。

 「質の高いインフラを整備・維持し、災害時に地域を守るためには建設業の皆さんの存在が不可欠。台風7号では昼夜を問わず尽力していただき、大変感謝している。建設業が地域のインフラマネジメント産業として、今後も持続的に活躍してもらえるよう、担い手の確保など、一緒に取り組んでいきたい」

■プロフィル
しどうじ・たかし

 埼玉県越谷市出身。1974年12月18日生まれの49歳。99年3月に東京大学大学院工学系研究科の社会基盤工学専攻修了後、同年4月に建設省に入省。外務省在ロサンゼルス日本国総領事館や中部地方整備局、国土交通省などに勤務し、東京外かく環状国道事務所長、国土交通省道路局の国道事業調整官や道路経済調査室長などを歴任し、7月11日付けで現職。趣味は囲碁とゴルフ。江戸時代に全国を測量し、初めて日本地図を作った伊能忠敬の生き方に共感するという。

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