上境工区の工事着手 事業概要 74カ所で53億円を執行(烏山土木)

[2024/8/22 栃木版]

 県烏山土木事務所は、2024年度の事業概要と実施予定箇所をまとめた。事業箇所は計74カ所で、事業費は23年度の繰越も含めて53億0176万円を計画する。内訳は道路事業が48カ所に36億0622万円、街路事業が2カ所に1億8400万円、河川・砂防事業が24カ所に13億7670万円など。本年度は那須烏山御前山線の上境工区や国道293号の三輪3工区、砂防の城間I-Cで工事に着手するほか、県道矢又大内線の大内工区と都計道山手通りの屋敷工区で調査に着手する。このほか、一級河川荒川(塩谷)の災害助成事業は本年秋の完了、国道294号旭交差点や県道烏山停車場線中央工区の電線地中化は来年春の完了に向けて、仕上げの工事を進めていく。=2面に事業実施予定箇所

 本年度の主な事業のうち、主要地方道那須烏山御前山線の上境工区は、本年度から道路改良工事に着手する。この路線は線形が屈曲し、幅員も5.5mと狭くすれ違いが困難なことから、全体延長833.7mの拡幅改良を実施している。これまでに用地取得のほか、落石防護柵工や並行して流れる空沢川との間の盛土工などを実施しており、本年度は延長約260mの道路改良工事をまもなく発注する。

 国道293号の三輪工区は、全体延長2940mの道路拡幅・歩道設置工事を3つの工区に分けて実施している。このうち北側の1工区が概ね完了し、南側の2工区を引き続き施工するほか、新たにその間に位置する3工区でも工事に着手する。3工区は全体延長860mで、本年度は並行する農道や水路との間の路体盛土を延長460mほど実施する。

 砂防の城間I-Cは、避難施設となっている旧武茂小学校の体育館の背後の法面で、全体延長78.5mにわたり補強土擁壁(テールアルメ工法)と高さ2mの防護柵を設置する。現在は用地測量を実施しており、本年度から工事に着手して10月ごろにも延長20mの擁壁工を発注するよう計画している。

 新たに調査に着手するのは、県道矢又大内線の大内工区と、都市計画道路3・5・2号山手通りの屋敷工区。県道矢又大内線の大内工区は、事業中の国道461号の大平バイパスと接続する箇所から南側に、延長440mの歩道設置を計画する。4月に詳細計画説明会を開催し、現在は用地測量を実施している。

 屋敷工区は県道宇都宮那須烏山線の現道拡幅と電線地中化事業で、那須烏山市中央一丁目から中央三丁目までの延長約600mを対象に、現状の幅員9.2mを15mに拡幅し、両側歩道とあわせて自転車道を設け、電線類を地中化する。本年度は電線共同溝予備設計を継続するほか、用地補償を実施する。

 このほか、通常砂防の仲郷下一号沢、馬口沢、馬頭二号沢ではそれぞれ砂防堰堤1基の整備を検討しており、関東地方整備局との構造協議などを進めていく。

 重点事業は、道路で国道294号旭交差点や県道烏山停車場線の中央工区が、来春の事業完了を目指している。歩道のバリアフリー化や電線地中化を実施しており、本年度は車道舗装工事や歩道美装化工事を実施したあと、道路台帳や電線共同溝台帳を整備する。

 国道461号の大平工区は、幅員が狭く歩道も無いためミニバイパスを整備する。延長は1000m、幅員は11.0mで、区間内に橋梁3橋(1号橋:橋長35.8m、2号橋:同26.3m、3号橋:同18.4m)を架設する。昨年度はこれら3橋の詳細設計を策定しており、本年度や用地測量や用地補償を実施する。

 河川の主な事業は、一級河川荒川(塩谷)で災害助成事業を下流側の向田工区1500mと上流側の小倉・藤田工区4400mともに本年秋の完了を目指すほか、新たに三箇工区の河川改修に着手する。藤田橋から青雲橋までの約3800mで、築堤や護岸、樋管改築などを実施する計画で、現在は詳細設計を進めている。

 一級河川大内川は、県道矢又大内線の大内工区と並行して流れる区間で、河道拡幅と取水堰の改築を計画する。現在は、取水堰の管理者との調整を進めている。

 砂防事業は、急傾斜の大平I-Bで修正設計を実施しており、三反畑I-Aは延長28mの防護柵工を予定する。矢の草I-Aは年度内に説明会を開催した後、用地測量を予定。仲丸の地すべり対策は延長300mの水路工を計画し、新屋敷三号沢の通常砂防は北側の堰堤の整備に加え、南側の2基目の堰堤の整備に向けて管理用道路の工事を発注する。

 道路メンテ(橋梁)は、主要地方道常陸太田那須烏山線の境橋で断面修復や注入工、根固め工を計画する。この橋梁は1937年の架設で、橋長は112.5m、上部形式はRC3径間のゲルバーアーチで下部形式は半重力式橋台と壁式橋脚となっている。現在は、橋梁補修点検を実施しており、その調査結果をもとに補修方法をまとめる。

 県道小川大金停車場線の中井上橋は断面修復や伸縮装置取替、高欄取替などを計画する。橋梁は64年架設の橋長37.8mで、上部形式がRC3径間単純T桁、下部形式が半重力式橋台と壁式橋脚となっている。本年度は設計を完了させたあと、第3四半期にもまずは高欄の取替工を発注する計画としている。

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