年度内に都決へ 取手駅西口再開発 複合施設は基本構想着手(取手市)
[2024/8/22 茨城版]
取手市では、取手駅北土地区画整理事業地内で、仮称・取手駅西口A街区地区第一種市街地再開発事業を進めている。本年度中に都市計画決定を予定するほか、再開発ビルの一部の床を活用する図書館機能を核とした複合公共施設整備では、基本構想をまとめる計画だ。都市計画決定手続きについては、資材高騰などを受けて若干スケジュールが遅れているもようだが、秋までは住民説明会を開催する見通し。複合公共施設の基本構想については、市内部での策定作業に着手しているもようで、年内にもまとめたうえで、早ければ基本計画や基本設計の策定などを外部に委託する考え。再開発ビルでは25年度に組合設立と事業認可取得を予定し、27年度の着工を目指す。
再開発ビルは、取手駅北土地区画整理事業内で最後の街区となるA街区内(0.7ha)に計画しているもの。A街区は、エリア内に民間のビルや宅地が立地するため、事業の実施には地権者の意向を踏まえながら土地の高度利用を図る(共同化を目指す)ことと位置付け、組合施行による市街地再開発事業として実施している。
17年7月に基本構想を策定したあと、18年1月には事業協力者として大京・戸田建設JVを選定。19年6月には取手駅西口A街区地区市街地再開発準備組合が設立され、事業協力者とともに計画を進めている。
大京・戸田建設JVによる再開発ビルの提案によると、商業・業務機能や公共公益機能、都市型集合住宅、広場空間を集約する。建築物は、非住宅棟と住宅棟を建設。非住宅棟には駐車場や図書館、商業・業務施設なども設け、住宅棟にはタワー型マンションとして、低層階にはサービス付高齢者向け住宅や保育施設などを設置することなどを盛り込む。施設規模は当初計画から一部変更され、25階建て延べ約3万6000平方mで、住宅戸数は約200戸を見込んでいる。事業費には約143億円を投じる計画だ。
本年度は当初、6月にも住民説明会を開く予定でいたが、現在の資材高騰などを受け、準備組合により施設計画や収支計画の再検討を行っているため、若干遅れているもようだ。それでも、秋ごろまでには説明会を開く考えで、年度内の都市計画決定を目指している。順調に進めば、25年度に事業認可取得と組合設立を予定し、27年度の着工後、29年度の完成を目指す。
市では、再開発ビルの非住宅棟の2~2.5層分を活用し、図書館機能を核とした複合公共施設の整備を計画する。施設規模は計4000~4500平方mを想定し、機能には▽図書館▽カフェ・オープンテラス▽窓口・オープンステージ(イベント空間)▽音楽スタジオ・会議室▽多目的ラウンジ(フリースペース)──などを盛り込む。
延べ3000~3500平方m程度で計画する図書館機能は、既存の取手図書館を移転(既存の取手図書館を廃止)するもの。より広々とした学習・閲覧スペースや、開放感のある居心地の良い空間の確保、カフェの併設など、機能の拡充を図ることを目指す。図書館の整備にあわせて、多目的に活用できるラウンジ機能(延べ500~1000平方m)や、楽器が演奏できるスタジオ、市民の活動内容を発表できるスペースなど、市民交流・市民活動支援機能を複合させることを目指す。
順調に進めば、本年度中に基本計画の策定に着手し、26年度までに基本・実施設計をまとめる。実際の施設整備を行うのは、再開発ビル着工後の28年度からとなるもようで、29年度中の供用開始を目指す。概算事業費には約40~50億円程度を見込んでいる。