中丸川で調整池 主要事業 久慈大橋の4車線化推進(県常陸大宮土木)

[2024/8/21 茨城版]
 県常陸大宮土木事務所(柳岡隆所長)は、本年度の主要事業をまとめた。道路事業では、国道118号那珂・大宮バイパスや国道245号久慈大橋4車線拡幅、国道123号御前山バイパスなどを推進する。河川では中丸川で調整池整備工事などを計画する。このほか、神奉寺橋の耐震補強工事や上菅谷跨線橋の修繕工事などを盛り込んだ。

 主な事業のうち、国道118号那珂・大宮バイパス整備事業(常陸大宮市・那珂市)では、用地補償調査や買収などを実施する。同線は水戸市を起点として、県北部を縦貫する広域幹線道路。災害時には緊急輸送道路として重要な役割を担うが、水戸市から常陸大宮市間の慢性的な渋滞に加え、行楽シーズンには常磐道那珂ICから奥久慈方面へ向かう交通渋滞が課題となっているため、4車線のバイパス整備を進める。全体計画は延長8300m(幅員28m)、総事業費は226億円と試算。進捗率は23年度末で63%となっている。

 国道245号久慈大橋4車線拡幅整備事業(東海村)では、用地測量などを進める。同線は水戸市から日立市の沿岸部を連絡する広域幹線道路で、国道6号を補完する機能を担うほか、災害時の緊急輸送道路としても重要な路線となる。

 一方、同線沿線には常陸那珂開発地区や、東海村の原子力関係事業所の集積地区が含まれているなど、慢性的な交通渋滞が課題となっている。これまでには、東海村豊岡までの15km区間の4車線化を完了。今後は、高萩工事事務所管内の久慈大橋架け替えにあわせ、常陸大宮土木事務所管内の残る400m区間でも現道の4車線拡幅を進める。全体計画は延長400m、幅員22m、進捗率は5%となる。

 国道123号御前山バイパス整備事業(常陸大宮市野口)では、用地補償調査や買収などを行う。同線は栃木県宇都宮市から水戸市を結ぶ広域幹線道路で、水戸土木事務所管内の那珂川大橋の架け替えに伴い、常陸大宮土木事務所管内の900m区間について、20年度からバイパス事業を開始した。全体計画は延長900m、幅員12mとし、進捗率は3%となっている。

 常陸那珂港山方線整備事業(水戸外環状道路)では、用地補償を計画する。水戸外環状道路は、北関東自動車道や常磐自動車道と一体となって、水戸市とひたちなか市のほぼ外周を通る交通機能の高い環状道路。現在は国道245号から国道6号までの6.1km区間で、暫定2車線の供用を目指し事業を進めている。全体計画は延長6100m(幅員25m)で、進捗率は10%。

 中丸川改修事業(ひたちなか市)では、調節池の整備や用地買収などを実施していく。中丸川はひたちなか市を流れ、那珂川に合流する一級河川。洪水時における河川の氾濫による家屋の浸水や、田畑の冠水などによる農作物への被害を防ぐため、調節池計画を含めた河道改修として河川の整備を進めている。全体計画は河道改修が延長7600m(本郷川1200m含む)、調節池が14.3haで、総事業費は127億2000万円と試算。進捗率は72%で、河道が延長3800m(本郷川200m含む)で概成となっている。

 橋梁の耐震化・老朽化対策事業では、地震時における救急活動や緊急物資の輸送などに影響を与える橋について、必要な対策を進めていく。このうち、耐震補強事業については、神奉寺橋(国道118号、常陸大宮市山方)の耐震補強工事などに着手する。橋梁耐震化計画によると、38橋が対象となる。

 修繕事業では、本年度に上菅谷跨線橋(瓜連馬渡線、那珂市菅谷)の修繕工事などを実施していく。橋梁長寿命化修繕計画によると、対象は国道118号大宮陸橋など62橋となる。

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