旧役場跡地の防災道の駅整備 県で造成工事へ 観光交流施設は来年度着工(大子町)
[2024/8/17 茨城版]
大子町が計画する旧町役場庁舎跡地を中心とした防災道の駅の整備に関連し、県大子工務所では5日、駐車場予定地の造成工事に係る一般競争入札を公告した。入札参加申請は21日から23日まで、開札は9月3日を予定している(公告の概要は6日付公告欄に掲載)。敷地内に町が整備する防災対応型観光交流施設やイベント広場などでは、現在策定中の設計完了を待って、早ければ年内にも盛土などの造成工事に着手する。造成工事が終われば、25年度中に本体工事へと着手する計画だ。
旧役場跡地では、町が策定した「まちなかビジョン」により、防災道の駅「奥久慈だいご」の第2駐車場やイベント広場、防災対応型観光交流施設の整備を位置付けている。敷地は、国土交通省が進めている久慈川緊急治水対策プロジェクトによる堤防整備に合わせて嵩上げし、県とともに各種施設整備を進めていく計画だ。
県では、敷地から道路を挟んで東側にある湯の里公園と、旧庁舎跡地東側部分の敷地を嵩上げし、駐車場や緊急道路などの防災機能を整備する。計画では、湯の里公園部分にヘリポートや駐車場を、敷地東側部分には、駐車場のほかにマンホールトイレ(防災トイレ)や自家発電装置などを設置する計画だ。このほか、押川の堤防沿いには、緊急時に交通を確保するための代替通路を整備していく。
今回、大子工務所で着工するのは、第2駐車場などを設置する敷地東側部分の造成工事で、盛土による嵩上げなども行う。予定価格は2536万円で、参加資格は土木AまたはBの町内業者としている。県で実施する湯の里公園部分の造成工事などは、次年度以降の発注となるもようだ。
町では、駐車場の西側に防災対応型観光交流施設、その西側に中心市街地排水処理対策として地下埋設型の地下貯留槽(排水ポンプ)、その西側にイベント広場の整備を進める。排水処理施設については既に4月から工事が進められているところで、25年夏ごろの完成を見込んでいる。
防災対応型観光交流施設については、柴建築設計事務所(水戸市)で基本構想を策定。昨年3月にはアウトドアメーカーのモンベル(大阪府、辰野勇代表取締役社長)を相手に、施設の整備・運営に関する覚書きを締結した。12月からは、柴建築設計事務所に委託し、敷地の造成工事も含めた
基本・実施設計の策定を進めている。設計は11月中にまとめ、遅くても年明けごろまでには盛土などの造成工事に着手する意向だ。本年度の当初予算には、盛土工事費として2カ年(24-25年度)で総額1億円の継続費を設定している。
防災対応型観光交流施設の設計に当たっては、意匠性の統一などを図るため、モンベルに設計の監修業務を委託し、協議を進めながら進めている。内部には、モンベルの販売ブースやレストラン、情報インフォメーションコーナー、FMだいごのスタジオ機能などを設置する。建設規模は、当初計画からは販売ブースを拡大し、2階建てで延べ約2000平方m程度としている。防災機能を有することから、構造はS造となるもようだ。
町では、早ければ本年度中に補正予算で防災対応型観光交流施設の工事費を確保し、盛土工事の完了を待って25年度から着工する。供用開始は26年の秋ごろを見込む。
イベント広場の整備では、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で設計をまとめた。着工は25年度ごろを予定している。