新規に産業用地整備 210件の事業費119億円 24~25年度(宮城県 亘理町・実施計画)

[2024/8/10 宮城版]
 亘理町は、町づくりの指針となる第5次総合発展計画について2024~25年度の実施計画をまとめた。実施を予定する主要な事業の内容や事業費を示しており、個別事業数は計210件。この2年間の総事業費に118億5109万円を試算する。主な新規事業では、本年度からの取り組みとして新産業用地整備推進事業を追加した。

 24~25年度に実施する個別事業は「持続可能なまちの基盤づくり」「わたしとわたりのブランドづくり」など5つの基本計画ごとに整理しており、総事業数は210件に上る。各年の財政計画のうち、普通建設事業費をみると本年度は8億3867万円、25年度は27億3763万円とした。本年度の普通建設費は6月補正予算分までとなっている。

 25年度の普通建設費は、前回策定の実施計画(期間23~25年度)と比較して約10億円の増を見込む。前回計画になかった新産業用地整備推進事業の新規追加によるものが大きい。

 新産業用地整備推進事業は、亘理中央地区工業団地の完売を受け、次の企業誘致の受け皿として新たな用地の確保を目指すもの。適地調査の結果、亘理インターチェンジ(IC)近接地である逢隈中泉地区の21.5haを第一候補地として選定済み。さらにこの一帯を国土利用計画にも産業用地として位置づけている。

 今後、分譲に向けて複数年をかけて用地整備を推進していく見通し。2カ年の事業費は本年度に1億3000万円、25年度に8億8908万円見込んだ。

 このほか主な事業を見ると、DBO方式により移転建て替える給食センター建設事業は、本年度大きく動いた。7月にメフォス(東京都港区)を代表とするグループを事業者に選定。構成員は▽阿部建設(仙台市青葉区)▽相和技術研究所(仙台市宮城野区)▽シグマット(亘理町)▽中西製作所東北支店(仙台市宮城野区)▽東急コミュニティー(東京都世田谷区)──。本契約を今後結び、実施設計と建設工事に入る。26年9月の供用開始を目指す。

 「交通安全対策(道路メンテナンス)事業」には、24年度に1億0640万円、25年度に1億1000万円を充てる想定。長寿命化修繕計画や修繕工事などを推進する。「道路改良・舗装整備・側溝整備事業」は、工事・委託・用地取得費などの費用として本年度に1億2814万円、25年度に9300万円を充てる。

 「上水道整備事業」では送水管の更新や浄水場の耐震化などを進めており、2カ年の事業費に8億9000万円を想定。本年度は田沢浄水場耐震化補強工事などに5億8700万円を充てるほか、25年度は仮称・吉田配水場改築更新工事に3億円ほどを設定した。田沢浄水場の工事は発注見通しによると一般競争入札の対象とし、月内の入札としている。

 2カ年に事業費の計上はないものの、「保育施設等整備事業」として24年度以降、亘理地区への新設に向けて小規模保育施設の整備について検討を進める。「鳥の海エリア整備推進事業」においては、民間のアイデアやノウハウを生かした整備検討を継続する。

 現行の第5次亘理町総合発展計画(16~25年度)は、来年度が最終年度。計画の進行管理の役割を担う実施計画は原則3カ年のローリング方式で毎年策定している。実施計画は、個別事業の施策展開、財政計画などを盛り込み、社会経済情勢などを踏まえ随時見直す。実施計画は25年度分を策定して完了する。

 次期計画となる第6次総合発展計画は、24.25年度の2カ年をかけて策定し、26年度からスタートする。策定業務をプロポーザルで選定したランドブレイン(仙台事務所・仙台市青葉区)が担当する。

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